人工膝関節置換術後リハビリテーションにおけるエビデンスプラクティスギャップの解明

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K19425
• Research Institution: Juntendo University
• Principal Investigator: 飛山 義憲 順天堂大学, 保健医療学部, 准教授 (10756927)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 人工膝関節置換術 / リハビリテーション / エビデンスプラクティスギャップ / Quality indicator / 標準化

Outline of Annual Research Achievements

本研究では人工膝関節置換術前後に標準的に行われるべきリハビリテーションの指標となるQuality indicatorを作成し、作成したQuality indicatorの実施状況を検証することを目的とし、2020年度にはQuality indicator候補作成のために用いるガイドラインやシステマティックレビューを決定する作業を行い、181件の論文を採用することとした。
2021年度には独立した二名の担当者がこの181件の論文を詳細に検討し、これらの論文の中で、術前の評価と介入、術後の評価と介入、また術前や術後など時期にとらわれないものについて、推奨されているリハビリテーションを抽出し、これらの結果について、日本でも標準的に行われるべきリハビリテーションとして妥当かを二名で協議し、Quality indicatorの候補案を決定した。
候補案は術前の評価については疼痛評価、膝機能評価などの13個の案を、術前の介入については疼痛管理、運動療法など5個の案を、術後の評価については疼痛評価は膝機能評価など15個の案を、術後の介入についてはリハビリテーション開始時期や運動療法など13個の案を作成した。また、術前、術後のどちらの時期に限定されるものではない項目としてクリニカルパスの使用やリハビリテーションサマリーなど3個の案を作成し、Quality indicatorの候補案として計49個を作成した。さらに、この候補案を評価委員に検討してもらうための評価表についても作成を行い、この評価表では候補案となった理論的根拠や対応するガイドラインと臨床的推奨を示すこととし、その内容に基づき、評価委員に患者アウトカム改善に有効か、指標のデザインとして妥当か、測定実施の可能性として妥当か、などを検討してもらい、そのうえでQuality indicatorとして適切かを検討してもらう予定になっている。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

新型コロナウイルス感染症の流行状況により移動が制限され、一次スクリーニング、二次スクリーニングのための打ち合わせ会議を実施することができず、スクリーニング後の抽出や候補案の作成についてもやや遅れの影響が生じている。

Strategy for Future Research Activity

候補案が決定したため、候補案を評価委員に検討してもらうための評価表を完成させ、委員による評価についてもオンラインで実施する方向で検討を行い、Quality indicatorを決定する。同時に、Quality indicator決定後に実施状況を検討する施設についても新型コロナウイルス感染症の流行状況を鑑みて、実施可能な施設を検討する。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス感染症の流行状況により移動が制限され、一次スクリーニング、二次スクリーニングの際の打ち合わせ会議を実施することができず、またスクリーニング後の候補案作成についても打ち合わせ会議を実施することができなかったため、旅費や謝金への使用が遅れている。今後の評価委員による会議についても対面での会議が困難となる可能性が予想されるため、オンライン会議の環境整備に使用する。