2023 Fiscal Year Annual Research Report
慢性閉塞性肺疾患患者の呼吸筋疲労に対する呼気筋トレーニングの効果に関する研究
Project/Area Number |
20K19431
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Research Institution | Tokoha University |
Principal Investigator |
塚本 敏也 常葉大学, 健康科学部, 准教授 (10737357)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 呼吸筋疲労 / 慢性閉塞性肺疾患 / 呼気筋トレーニング / 呼吸筋力 / 呼吸筋筋電図 / 呼吸困難感 / 呼吸筋 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、慢性閉塞性肺疾患を対象とした実施計画であったが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を強く受け、対象者への感染等のリスクや協力施設の感染対策等を十分に考慮し、健常者を対象に本研究課題の基礎資料となる研究成果をまとめたため報告する。 本年度までに、ランダム化比較試験を実施し、呼気筋トレーニング(以下、EMT)が呼気筋力の増加を介して吸気負荷時の呼吸筋力低下の抑制と呼吸困難感を減少させる効果を報告した。令和5年度は、継続研究として「呼吸筋疲労に対するEMTの効果」について検証した。本研究の目的は、EMTが各呼吸筋の筋疲労に及ぼす影響を検証することである。 呼吸筋疲労は、呼吸に対して負荷が発生した際に活動中の呼吸筋収縮力が低下した状態であるため、呼吸に関わる各呼吸筋の筋疲労の状態を経時的に評価し検証する必要がある。現在まで呼吸筋力を用いたEMTの効果について主眼を置いていたが、呼吸筋力は吸気または呼気における呼吸筋全体の最大収縮力を反映していることから、呼吸筋力のみでは個々の呼吸筋疲労を捉えることが難しい点があった。そこで吸気負荷時の呼吸筋力に加え、呼吸筋(僧帽筋、胸鎖乳突筋、大胸筋、横隔膜、腹直筋、外腹斜筋、内腹斜筋)に表面筋電図を用いて活動中の経時的変化を筋電図周波数分析により解析した。その結果、EMTにより胸鎖乳突筋と腹直筋および内・外腹斜筋の筋疲労耐性が増加し、吸気負荷時の呼吸筋疲労への効果を示した。 本研究結果については、「Effect of expiratory muscle training on respiratory muscle fatigue in healthy adults: a randomized controlled trial」をタイトルに、研究論文として査読を経て報告した(印刷中)。
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