Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は, マインドフルネス呼吸エクササイズが足関節捻挫好発者や慢性足関節不安定症(Chronic Ankle Instability, 以下CAI)を有する者の心身機能改善にどの程度効果的であるかを検証することである. 2021年度は, 2020年度に実施した一重盲検ランダム化比較試験を引き続き実施(対象者をランダムに1) 従来のバランストレーニングのみ,2)マインドフルネス呼吸エクササイズのみ,3)コントロールの3条件に割り振わけ, 各介入条件を週3日連続5週間実施)し, 研究対象者数の拡大を図った. 現在, 介入前後にて取得したデータ(大脳・小脳の機能・構造, 前庭機能, 静的触圧覚, 心拍変動, 動的・静的バランス能力, 横隔膜筋厚, 主観的身体機能の評価, およびQOL)の解析を進めている段階である. 加えて, 足関節捻挫好発するアスリートにおけるマインドフルネス呼吸エクササイズ処方の効果を検証するため, ランダム化比較試験にて実施した. 対象のアスリートをランダムに1) マインドフルネス呼吸エクササイズ,または, 2)コントロールの2条件に割り振わけ, 各介入条件を週2日連続6週間実施した.介入前後に, 呼吸機能, 横隔膜機能, バランス機能, および感覚機能を評価した. 介入後, マインドフルネス呼吸エクササイズ群におけるアスリートの呼吸機能, 横隔膜機能, 前庭機能, および動的バランス能力は有意に向上した. しかしながら, コントロール群では, いずれの指標も介入前後の比較において有意差が認められなかった. 本研究の結果は, 足関節捻挫とCAIの新たな予防およびリハビリテーション構築の一助になる可能性がある.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により実験を一時中断したため, 研究補助者への人件費に変更が生じた. また, 新型コロナウィルス感染症の影響により学会がオンライン化し, 研究成果発表のために計上していた旅費にも変更が生じた. 本年度, 研究参加者への謝金や, 研究補助者への人件費, 本研究課題の研究成果発表に関連する旅費にとして使用する予定である.
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