2022 Fiscal Year Research-status Report
施設入所高齢者が自分らしく生活するための支援技術としての園芸活動マニュアルの開発
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20K19434
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Research Institution | Kibi International University |
Principal Investigator |
三宅 優紀 吉備国際大学, 保健医療福祉学部, 講師 (40469317)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 園芸療法 / 高齢者施設 / 認知症 / 作業療法 / コロナ禍 / オンライン / バーチャル |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、これまでに終了したインタビュー結果をまとめ、論文執筆を行った。結果3本(海外1本、国内の1本)論文が受理された。 1つ目は、入院により園芸活動を剥奪されたクライエントに対する作業療法士(OT)の実践を明らかにした。構造構成的質的研究法を用い、分析はSCATを用いた。結果、園芸活動実践には【園芸活動導入時の人的・物理的課題】が存在し、OTは【クライエント中心の協力体制】と【物理的環境を改善させるための対応】をしながら【未来につながる園芸活動推進運動】を行っていた。それにより【作業剥奪+作業疎外】のクライエントには【心身+作業参加の改善】が認められた。さらにOT自身も【その人らしい園芸支援のための理想像】が獲得され【OTへの波及効果】も得られていくというモデル図が作成できた。 2つ目の研究では、高齢者施設への園芸療法導入・実践のコツについてインタビュー調査を通して質的に解明した。結果、【園芸療法実践の基本戦略】が基盤となり、導入は【共作業で行う環境整備】、【目的を意識した園芸活動の選択】、【コスト削減対策】、【臨機応変な対応】の4つのコツが挙げられた。継続には、【メンテナンスを含む植物への継続的関与】、【その人らしさを大切にした活動内容】、【成功と失敗のノウハウの蓄積と活用】の3つのコツが挙げられた。 3つ目はオンライン園芸を実施した大学生を対象に調査を行い、オンライン園芸の利点、障壁、課題、今後の課題の抽出を質的に分析し明らかした。また入所高齢者に対してもどのような効果があるか検証を行った。その結果、QOL-Dの下位項目の「落ち着きのなさ」が低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高齢者施設での園芸療法実践はコロナ禍のため制限もあったが、オンラインでの活動に切り替えて実施することができた。 実践の効果やインタビュー調査の結果を論文かすることができたため、おおむね順調に進んでいると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今までの実践や論文の結果を整理しながら、施設入所高齢者が自分らしく生活するための支援技術としての園芸活動マニュアルを作成していく。
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Causes of Carryover |
令和4年の8月以降、産休育休のため学会参加などを控えたため予算を使用することがなくなった。そのため次年度使用額が生じた。
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