2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of rehabilitation program during neoadjuvant chemotherapy for elderly patients with esophageal cancer
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20K19439
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
立松 典篤 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 助教 (60796770)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | skeletal muscle mass / physical activity / elderly cancer patient |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、外科手術を予定している高齢消化器癌患者の術前の骨格筋量および身体機能の維持・改善を目的とした新しいリハビリテーションプログラムを開発することを目指しており、令和2年度においてはプログラム開発のために必要な基礎的データを収集することを目標としていた。 術前補助化学療法を行う食道癌患者(約100名)を主な対象とし、術前補助化学療法中の骨格筋量の変化(第3腰椎レベルのCT画像を用いたSkeletal muscle mass index: SMI)や治療アウトカムとの関連を調査した結果、術前補助化学療法前後で骨格筋量は有意に減少しており(SMI: 42.7→40.3 cm2/m2)、骨格筋量の減少が大きい患者は術後合併症の発症率が高い傾向(16.9% vs 5.9%)が認められた。一方で、今回の解析結果からは骨格筋量が減少する患者集団の特徴は明らかにはならなかった。 上記の結果より、より効果的な術前リハビリテーションプログラムの開発のために必要な基礎的データは未だ不十分であり、更なるデータの収集が必要と考えられる。また、COVID-19の感染拡大により、高齢消化器癌患者を取り巻く社会環境は大きく異なっており、対面での直接的な関わりをベースとする従来のリハビリテーションプログラムとは異なった新たな視点やアイデアを取り入れていくことが重要である。 以上より、対象を食道癌に限らず大腸癌や胃癌を含めたより多くの高齢消化器癌患者に拡大し、術前の生活習慣や環境といったデータを新たに収集して解析することで、引き続き、術前に介入すべき対象集団の特徴を探索していく必要がある。さらには、今の社会情勢の中でより実施可能性が高く、効果的な介入方法が何であるかを調査していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請者の所属先が変更になったことと、COVID-19の感染拡大により、データ収集に必要な症例数や収集機会が制限を受けてしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
解析対象者数を確保するため、代表的な他の消化器癌である大腸癌や胃癌の術前患者へと対象を拡大し、術前に介入すべき対象集団の特徴を探索していく。 また、今の社会情勢の中でより実施可能性が高く、効果的な介入方法(例えば、オンラインツールなどの非接触型介入方法など)を検討していくために必要な情報収集も追加して行っていく。
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Causes of Carryover |
参加予定としていた学会がオンライン開催となったことで旅費関連の支出が減少したために、一部の金額が次年度使用額へと追加されたため。 使用計画としては、学会への参加費に加えて、論文執筆および投稿に関する諸経費として使用していく。
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