2022 Fiscal Year Annual Research Report
吸気に着眼した新たな鼻咽腔閉鎖機能の訓練方法の検討
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20K19440
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
小林 理香 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), その他部局等, 研究員 (90728271)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 鼻咽腔閉鎖機能 / 吸気流量 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では吸気流量に着眼した新たな鼻咽腔閉鎖機能の訓練方法の提案に向けて、喘息患者用の経口吸気流量計(インチェック)を用いて鼻咽腔閉鎖不全の患者に対する訓練効果を客観的に検証することを目的としている。1、2年次に鼻咽腔閉鎖不全の患者に対してインチェックによる吸気訓練を計画したが、コロナ禍で多数の症例を集めることが困難となった。 そこで研究計画では3年次に行う予定であった生理実験を2年次に実施した。吸気を用いた鼻咽腔閉鎖機能の訓練方法を客観的に評価するために、健常成人3名が「強く吸う」「強く吐く」等の吸気・呼気時のタスクを仰臥位で行っている場面をMRI動画で撮影し、軟口蓋起始部および後端部、口蓋垂先の形状を“Velopharyngeal triangle”と定義し、鼻咽腔閉鎖の違いについてMRI画像で検証した。結果は「強く吸う」では他のタスクに比べ、軟口蓋が最も高く挙上し咽頭後壁にも強く接触し、インチェックによる吸気を用いた鼻咽腔閉鎖機能の訓練効果はこの生理実験によって裏付けられた。(Kobayashi R, Hagiwara N, Takazawa M, Higuchi N, Tsunoda K. Verifying efficacy of self-inhalation training for velopharyngeal dysfunction -Velopharyngeal closure in healthy adults during different tasks. Folia Phoniatr Logop. 2022 Aug 5. doi: 10.1159/000526356.) また2、3年次には患者、家族に鼻咽腔閉鎖不全について理解を促し訓練方法を標準化するために、鼻咽腔閉鎖機能および訓練方法に関するDVDを作成し、啓発に努めた。
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