2021 Fiscal Year Annual Research Report
Examination of ischemic tolerance exercise and microRNA in hippocampus
Project/Area Number |
20K19449
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
高田 忠幸 香川大学, 医学部, 寄附講座教員 (10714272)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | microRNA / Hippocampus / Reperfusion / Short-term memory / Ischemic tolerance / Lactate |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までで虚血によるアップレギュレートが軽運動で抑制されたmiRNAは14種(mmu-miR-211-3p, -327, -451b, -711, -3070-3p, -3070-2-3p, -3097-5p, -3620-5p, -6240, -6916-5p, -6944-5p, 7083-5p, -7085-5p, and -7674-5p),虚血によるダウンレギュレートが軽運動で抑制されたmiRNAは6種(mmu-miR-148b-3p, -152-3p, -181c-5p, -299b-5p, -455-3p, and -664-3p)を同定した.これらmiRNAのいくつかのメカニズムから血中乳酸値の上昇を伴わない軽運動が認知機能低下の抑制効果につながる可能性がある.特に,miR-181c-5pは虚血の程度が強いと上昇し,ペナンブラでは低下することが知られているが,虚血耐性運動により虚血負荷時にペナンブラに移行することの予防が可能であったことをmiRNAレベルで示すことができた.また,miR-455-3pは認知機能との報告があり,アミロイドβ前駆体蛋白(APP)のプロセッシングを調整し,APPにより誘導されるミトコンドリアやシナプスの異常に対して保護的な機能が報告されており,虚血によるダウンレギュレーションによりこれらの機能喪失を来し,アミロイドβ(Aβ)の蓄積が予想される.今回の結果からは虚血耐性運動によりmiR-455-3pの発現は維持できたことからAβの蓄積を予防できる可能性がある.これらの結果から,乳酸上昇を伴わない軽運動は,miRNAのレベルで虚血耐性を獲得し,認知機能を維持できることが示された.また,急性障害のメカニズムに起因する短期記憶の低下のみならず,アミロイド蓄積の慢性メカニズムに起因する長期的な認知機能の低下を予防できる可能性を示している.
|