2023 Fiscal Year Research-status Report
主観的もの忘れのある高齢者が困難さを感じやすい生活行為に視線行動が与える影響
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20K19451
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
池田 由里子 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (10448566)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 視線行動 / もの忘れ / 生活行為 / 地域在住高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域在住高齢者が主観的もの忘れを訴える段階で低下しやすい特性の生活行為に着目し、視線行動との関連性を検討する本研究課題の4年目の実績は下記の通りである。 対象は40名であった。内訳はデイサービス利用者20名(整形疾患が主)、シルバー人材センター登録者20名(認知機能を疑う既往歴はなし)であった。対象者のうち1名は研究同意を撤回したため、分析対象者は39名である。対象者の平均年齢は84.7±4.3歳、女性のみ、教育歴10.9±1.7年、独居48.7%であった。対象者の視線行動(眼球運動スピード、注視時間、注視回数、注視場所、視線距離・軌跡)を3種類の静止画像(冷蔵庫の画像である。1.台所内の冷蔵庫を示した画像、2.冷蔵室内の画像、3.野菜室の画像の3種類)において調査・測定した。静止画像内の情報量が多く、複雑であるほど、総視線距離の延長、注視回数の減少がみられた。Montreal Cognitive Assessment日本語版の得点が低く認知機能低下が疑われる者において、その傾向があることを認めている。 さらに、目的物を探索するように指示された後の注視開始場所や視線軌跡の特徴と認知機能との関連性についても分析を行っている。認知機能が低下している者では螺旋的な軌跡となる傾向を見出している。 現在、分析を進めており、同時に論文化する準備も行っている。令和6年度中に国際誌に投稿し掲載されることを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに進んでおり、より多角的なデータの分析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
データ分析を継続し論文化や学会発表に取り組んでいく。
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Causes of Carryover |
当初の計画より旅費を必要としない範囲で学会発表やデータ収集を行ったため次年度使用額が生じた。次年度は得られた知見を国際誌へ論文投稿する際の投稿料に使用する予定である。
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[Journal Article] Relationship between grave visitation and apathy among community-dwelling older adults.2023
Author(s)
Hidaka Y, Tabira T, Maruta M, Hakizako H, Ikeda Y, Nakamura A, Han G, Miyata H, Shimokihara S, Akasaki Y, Kamasaki T, Kubozono T, Oishi M
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Journal Title
Psychogeriatrics
Volume: 23
Pages: 401-410
Peer Reviewed
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