2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of the Interprofessional coraborative practice assessment scale to support independent living in patient with stroke sequelae
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20K19452
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
池田 公平 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 助教 (80828179)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 多職種連携 / リハビリテーション / 脳血管障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,脳卒中後遺症者の自立生活を支援する多職種連携の具体的な内容を明らかにし,脳卒中後遺症者を支援する理学療法士,作業療法士,言語聴覚士が活用できる評価表を開発することである. 本研究計画において,2020年度は,評価表の質問項目の作成であるため,回復期リハビリテーション病棟(以下,回復期病棟)における療法士が活用できる多職種連携を総合的に評価するための質問項目の作成に取り組んだ.なぜなら,回復期病棟における多職種連携は重要視されているものの,その具体的な実践内容は,連携の目的やチームを構成する職種により異なるだけでなく,療法士による多職種連携の具体的事項は先行研究で明らかにされていないためである. 本研究は,文献研究と当事者へのインタビューの組み合わせにより行った.文献検索は,医中誌webおよびMEDLINEを用いた.また,インタビューの対象者は,回復期病棟で勤務している理学療法士,作業療法士,言語聴覚士とした.得られたデータの分析は,質的内容分析の方法を参考に演繹的に分析を行った. 結果,対象文献は24件,インタビュー対象者は10名であった.質的内容分析の結果,回復期病棟における療法士の多職種連携は,「チームの一員として機能する」「連携しつつ専門性も発揮する」「コミュニケーションの機会を作る」「コミュニケーションをとる相手に配慮する」「患者に関する情報を交換する」「支援方法の統一と役割分担をする」といった概念で構成されていた.具体的には,「チームの一員としての意識を持つ」や「他職種にとって声のかけやすい時間帯を選択する」などが構成要素に含まれていた.これらの結果から,回復期病棟における療法士の多職種連携による支援は,リハビリテーションの効果を高め,かつケアの質や安全性を向上させることを目的として提供されていることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の研究計画では,脳卒中後遺症者の自立生活を支援する多職種連携の具体的な内容を明らかにすることを目的としていた.結果,「チームの一員として機能する」「連携しつつ専門性も発揮する」「コミュニケーションの機会を作る」「コミュニケーションをとる相手に配慮する」「患者に関する情報を交換する」「支援方法の統一と役割分担をする」といった構成概念が生成された.この研究実績は,日本作業療法研究学会雑誌に掲載されている.また,本研究の成果は,Council of Occupational Therapists for European Countries(COTEC)にてポスター発表を行う予定であったが,COVID-19の影響で大会が延期となった.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,脳卒中後遺症者に対する多職種連携を評価するための評価表を作成し,その信頼性および妥当性の検証を行うことを計画している.具体的には,脳血管疾患患者が入院している病院に勤務する療法士を対象とした調査研究を行う予定である.まず,神奈川県内にある医療機関に所属する療法士を対象に,多職種連携を評価するための評価表を郵送する.返送されたデータを用いて,評価用紙の因子構造を明らかにした上で,評価用紙の信頼性および妥当性を検証する.この因子構造の抽出や信頼性,妥当性の検証は,統計学的な処理を行い検討する.2021年度に実施予定の研究は,調査研究であるため,データ収集の際のCOVID-19の影響は少ないと考えられる.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により,学会が中止またはオンライン開催に変更となったため.翌年度は状況に応じて学会の開催が予想されるため,旅費として使用する予定である.
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