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2020 Fiscal Year Research-status Report

腱の温度上昇に着目した腱障害発症メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 20K19461
Research InstitutionToyo University

Principal Investigator

石垣 智恒  東洋大学, ライフデザイン学研究科, 学術振興会PD (30866231)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywords腱障害 / 冷却 / 血流 / 温度
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は、腱の温度上昇が腱障害の病因であるかどうかを検証するとともに、腱の温度恒常性に対する血流の影響を明らかにすることである。
本年度は、運動後の冷却が腱板変性の進行に及ぼす影響を調べる実験における、冷却を行わない対照群の実験を行った。さらに、腱の温度恒常性に対する血流制限の影響を検討した。
運動後の冷却が腱板変性の進行に及ぼす影響を調べる実験では、ラットに下り傾斜15度のトレッドミル走を1日1時間、週5回実施させた際、運動開始後1週、3週、および5週後の各時点で棘上筋腱を摘出した。本年度は、対照群の実験を行い、実験期間終了後に棘上筋腱を採取した。パラフィン包埋・薄切後、HE染色を施した切片を観察すると、運動開始後1週で腱細胞形状の円形化が生じ、3週および5週では同程度に腱細胞の増殖およびコラーゲン線維の乱れが認められた。今後は、冷却を行う群の実験を行い、標本を採取し、腱の組織変性を冷却を行う群(介入群)と冷却を行わない群(対照群)で比較する。
腱の温度恒常性と血流との関連に関しては、ホットパックによるアキレス腱の加温、および運動後の腱温上昇からの腱温回復に対する血流制限の影響を検討した。血流制限は、大腿部に取り付けた未熟児用マンシェットを加圧することで達成した。現在、実験データは取得済みであり、今後解析を進める。本研究によって、これまで理論的に信じられてきた腱の血流と腱の温度恒常性との関連を、実験研究によって検証することができる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

コロナウイルス感染拡大による大学入構禁止の影響等で、今年度は長期の介入研究の一部の実施を控えた。しかしながら、翌年度に実施予定であった実験を優先して行うことができた。それゆえ、現在までの研究は概ね順調に進展していると思われる。

Strategy for Future Research Activity

本年度は、初年度に行う予定であった、冷却による腱障害の発症に及ぼす影響を検討する。具体的には、ラットに下り傾斜15度のトレッドミル走を行わせた直後に、吸引麻酔下で棘上筋腱をアイスパックで冷却する。介入期間は1週、3週、および5週とする。介入期間終了後、ラットの棘上筋腱を摘出し、組織学的に観察する。さらに、今年度はRT-PCRを用いた増殖因子のmRNA定量解析を行う。すべての測定結果を対照群と比較し、腱障害と腱の温度上昇との関連を検討する。さらに、腱障害発症に関連する増殖因子を明らかにする。
また、すでに取得済みである、腱の血流と温度の関係に関するデータ解析を行う。

Causes of Carryover

当該年度は、コロナウイルス感染拡大の影響による大学入構禁止期間、および再度の入校禁止を危惧して、長期の介入研究の一部実施を控えた。さらに、RT-PCRの使用に着手することができなかった。そのため、実験に使用する動物、機器、試薬を一部購入できなかった。
今年度は、昨年実施できなかった実験の遂行およびRT-PCRを実施する。2020年度に生じた次年度使用額は、これらの実験にて使用する。

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Published: 2021-12-27  

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