2022 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of nutraceuticals intake for muscle atrophy on brain BDNF
Project/Area Number |
20K19465
|
Research Institution | Teikyo University of Science & Technology |
Principal Investigator |
相原 正博 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (90736472)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 脳由来神経栄養因子 / 廃用性筋萎縮 / 不活動 / HMB / 機能性食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎えているわが国では、廃用性筋萎縮が生じている高齢者は非常に多い。廃用性筋萎縮に対する日々の臨床では、運動療法や機能性食品摂取による治療的介入が実践されている。運動により脳機能の生理的活性因子であるBDNFに着眼点を置き、運動介入及び機能性食品であるHMBを経口投与させ、BDNFの動態を脳、血液、骨格筋と複数の組織で検討した。 まず、廃用性筋萎縮は2週間のギプス固定によって誘発され、再荷重群及び運動介入群で廃用性筋萎縮は回復を示した。血中及び骨格筋BDNFは、ギプス固定による廃用性筋萎縮群で最も低値となり、再荷重群、運動介入群の順で高値となった。脳BDNFは血中及び骨格筋BDNFと同様に、廃用性筋萎縮群で最も低値であった。運動介入群は、廃用性筋萎縮群や再荷重群よりも高値を示す結果となった。これらの結果は、昨年度実施した実績と同様の結果が得られている。これらの結果から、運動介入は脳BDNFを変動させることが示唆される事となった。 HMBの有無によって、骨格筋の細胞径に変化は認められなかった。脳BDNFのウエスタンブロット解析も同様に変化は認められなかった。一方で、骨格筋中のBDNF量はHMBの有無に関わらずコントロール群よりも増加していた。以上の事から、HMBはBDNFへの直接的な関与は認められなかったと推測された。高齢マウスにも同様にHMBの摂取を行ったが、脳BDNFの発現には影響を及ぼさなかった。 今回の研究から、HMBの摂取よりも運動介入を行った方が脳や骨格筋BDNFに与える影響は大きい事が考えられた。BDNFのPathway等、更なる研究を進行していく事で詳細な結果が得られるようにしたい。
|