2021 Fiscal Year Research-status Report
嚥下反射惹起不全を有する摂食嚥下障害患者に対する侵襲のない咽頭刺激法の開発
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20K19469
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
小川 真央 藤田医科大学, 医学部, 助教 (80866905)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 摂食嚥下 / 電気刺激 / 磁気刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
干渉波電気刺激(IFC-TESS)に関して,前年度の検討内容をもとに健常者の嚥下機能に対する効果を検証するための実験を実施した. 対象は健常成人20人(31±11歳 (平均±SD),男女10人ずつ)とし,ランダム化クロスオーバー試験を実施した.介入はIFC-TESS(感覚閾値の刺激を20分間),sham刺激(0mAを20分間)とし,それぞれの実施順はランダムに振り分け,1週間以上の間を空けて実施した.介入の前後で反復唾液嚥下テスト(RSST),150ml水飲みテスト (150ml WST) を評価した.得られた結果は介入群と時間,および両者の交互作用を固定効果,対象者を変量効果として線形混合モデルを用いて解析した. 結果は,RSSTや150ml WSTにおける所要時間や要した嚥下回数は介入の違いによる有意差は認めなかったが,150ml WSTにおけるswallowing capacity(ml/s)についてはIFC-TESSの介入によってsham刺激と比較して有意な改善を認めた. 上記実験結果から,IFC-TESSは健常者の随意的な嚥下反射惹起は改善させないが,液体嚥下のパフォーマンスを改善させる可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍により研究開始が遅れたものの,本年度は順調に実験を進めることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
現在は弱い末梢磁気刺激による健常者の嚥下機能に対する効果を検証するための実験を実施中である.一部改変はしているが,上記で述べた本年度に行った実験デザインにならい進めている.本年度中に結果が出る予定であり,これまで得られた結果をもとに患者を対象とした研究を実施できるか再検討し,進めていく.
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Causes of Carryover |
コロナ禍により国内・国際学会がオンラインまたはハイブリッド開催となり,現地へ出張する必要がなかったため.次年度は感染の流行状況を鑑み,可能であれば現地参加を検討していく.
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