2020 Fiscal Year Research-status Report
健常高齢者のための記憶利活用のための自伝的記憶トラッキングエージェントの開発
Project/Area Number |
20K19471
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
徳永 清輝 国立研究開発法人理化学研究所, 革新知能統合研究センター, 特別研究員 (90835092)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 自伝的記憶エージェント / 情報支援 / ヒューマンコンピュータインタラクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、健常高齢者が自身のエピソード記憶を健常であるうちから記憶し・記憶の変化を確認することを目的としたエージェントの実現について提案している。 アプローチとしては、1.話を引き出すエージェント、2.収集した話題データ整形・加工モジュール、3.自伝的記憶の参照・問い合わせを目的としたエージェントの設計・開発、4.インタラクションした質疑応答の結果の振り返りDBを構築することによって実現する。 1つ目の話を引き出すエージェントは、高齢者からの発言内容を引き出すためのきっかけとなるコンテンツを高齢者自ら登録してもらい、その内容にもとづいて記憶を引き出すためのモジュールである。2つ目の収集した話題データの整形・加工については、収集したデータを整形・加工するための技術である。これによって、言葉を解析し、ほかの要素技術からアクセスしやすくするための中間処理を実現する。3つ目の. 自伝的記憶の参照・問い合わせを目的としたエージェントとは、高齢者自身の記憶についてエージェントから問い合わせを行うような記憶に関して情報支援および直接ユーザとインタラクションするためのインタフェースとなる仕組みである。最後となる4つ目の時系列トラッキングできるようなデータベースシステムとは、自身の記憶に関するエージェントとの質疑応答の履歴が蓄積され,それらの蓄積したデータは他のアプリケーションから利活用できる仕組みとなる。 プロジェクト初年度においては、被験者が在宅にいる中でも評価するための基盤の設計・開発を推進することが重要であると考え、被験者が在宅においても実施できるような基盤システムを中心に開発・評価を行った。また、構築したシステムのフィージビリティを確認するための評価実験を実施している。業績としては、雑誌論文として1件(査読中)、国内での学会発表2件を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遠隔で実験を実施するためのシステムおよび実験準備、そのほか調整業務が発生し、それらに時間を費やしたため、研究自体はやや遅れていると判断する。一方で、完全に遠隔で実験が実施できるようなシステム基盤ならびにプロトコル構築できている。研究提案内の主に項目3および4の一部に相当すると考える。今年度以降は、それらを活用し、研究を推進する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進計画としては、特に実現のための要となる2.収集した話題データ整形・加工モジュールの開発については、所属研究機関の研究者とのディスカッションなどをもとに自然言語処理技術等を利用して設計・開発できるのではないかと見通しを立てている。今年度早々に設計・実装を行う。また、3,4については現在までの進捗状況について記述した通り昨年度一部着手している。また、システム群を連携し、最初のステップとして少人数で有効性の評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの流行に伴い、海外出張が難しくなったためその旅費分の大きな差額が生じている。今年度は、実験機材やクラウドサービス、論文投稿費などを主な対象として利用予定である。
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