2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢期の生活範囲質問紙票作成-付随する身体的・社会活動に着目して-
Project/Area Number |
20K19475
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
堤本 広大 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, プロジェクトリーダー (70633189)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 高齢者 / 生活空間 / 閉じこもり |
Outline of Annual Research Achievements |
外出機会の減少に伴う生活空間・範囲の狭小化によって、高齢期の生活の質を阻害し、入院率や死亡率を高めることが報告されており、生活空間・範囲を保つことは心身ともに豊かな生活を送るうえで重要である。加えて、生活範囲がひどく狭小化した状態は「閉じこもり」と称され、寝たきりや要介護状態のリスクとなることが報告されている。本邦においては、閉じこもり予防が介護予防事業として重要視されているが、解決に難渋しているのが現状である。したがって、生活範囲の狭小化を捉えることは閉じこもり予防という観点からも重要である。生活空間・範囲を評価する際に留意しなければならない点が、外出頻度のみにとらわれないことである。一義的に生活空間を評価し狭小化に着目するだけでなく、外出に伴った身体活動および社会活動の程度を評価しなければならないと考えられる。これらの課題をふまえた質問票を開発し、その妥当性・再現性を検証することを本研究の目的とした。 本年度は生活範囲の狭小化、外出頻度や活動の低下が機能低下と関連するかについて検討した。機能低下としては、身体的フレイル、認知機能を評価した。① 筋力低下、②歩行速度低下、③ 身体活動低下、④ 体重減少、⑤ 活力低下、についてそれぞれ評価し、3つ以上低下が該当する者をフレイル、1~2つ該当する者をプレフレイルとした。認知機能については、National Center for Geriatrics and Gerontology-Functional Assessment Tool(NCGG-FAT)を用いて測定した。その結果、フレイルであることや認知機能低下が生活範囲の狭小化、外出頻度や活動の低下が機能低下と関連していたことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症拡大により、高齢者への調査が困難な状況となっているため、予定の計画よりもやや遅れている。既存データを用いて本研究課題の解決につなげられるエビデンス作成を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
生活範囲の狭小化、外出頻度や活動の低下が身体機能、認知機能、さらには心理状況にどのような影響を及ぼす可能性があるのかということについて、既存データを用いて本研究課題の解決につなげられるエビデンス作成を継続して行うとともに、新型コロナウイルス感染症の状況に応じて、調査時期の設定を臨機応変にすすめることで妥当性の検討を進める予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の影響により計画当初に予定していた時期に調査が十分に実施できなかった為、次年度使用が生じた。調査時期を延期し、次年度に調査遂行に係るスタッフ謝金費用や消耗品費用、感染対策に係る消耗品費用として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)