2021 Fiscal Year Research-status Report
運動によるタンパク質消化吸収系機構の変化とそのメカニズムの解明
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20K19481
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松永 裕 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (10850133)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 運動 / 消化吸収 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
運動や栄養摂取が骨格筋に与える効果の解明が進む一方で、摂取した栄養素を処理する消化吸収器官においては、運動によってどのような影響を受けるのか未だ詳細が明らかではない。本研究では、運動が栄養素の消化吸収機能に与える影響およびそのメカニズムの解明を目指す。 昨年度は、実験動物を用いて、運動後に摂取温度や頻度の条件を変えた糖質溶液を摂取させ、その後の吸収動態および組織への影響を検討した。今年度はそれらの解析を進め、①摂取温度の観点から、運動後に温かい糖質溶液を摂取すると、冷たい糖質溶液を摂取するよりも門脈血中グルコース濃度が高まり、肝臓のグリコーゲン回復を促進させること、②摂取頻度の観点から、運動後に糖質溶液を単回大量摂取することで頻回少量摂取するよりも骨格筋グリコーゲン回復が高まり、一方で肝臓においては頻回少量摂取することで単回大量摂取するよりもグリコーゲンの回復が促進されることを明らかにした。 続いて、タンパク質の消化吸収についての検討を行った。実験動物に対して、安静時または運動直後にタンパク質溶液を投与した。その後、門脈血および末梢血を経時的に採取し、血中アミノ酸濃度の測定を行った。また予備検討として、タンパク質摂取後の胃内残存物と回腸末端の残存物中に含まれるアミノ酸量の定量を試みた。現在は、これまでに得られた結果をもとに、タンパク質の投与量、濃度、タイムコースなどについて実験条件設定の最適化を図っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
消化管残存物の解析について、想定していたよりも実験条件設定に時間がかかったため。 遅れを取り戻すよう、速やかに実験を進めていきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
安静および運動後の条件においてタンパク質溶液を摂取し、その際の血液、各組織、消化管残存物の解析を行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
実験に必要であった消耗品が十分に購入することができたため、次年度使用額が生じた。 次年度は採取した実験サンプルの解析、および新たに行う実験に使用する予定である。
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