2021 Fiscal Year Research-status Report
多血小板血漿(PRP)オーダーメイド療法の確立に向けたPRPの質と効果の検討
Project/Area Number |
20K19486
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
小林 洋平 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (10815690)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 多血小板血漿 / PRP / 膝蓋腱損傷 / 変形性膝関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
多血小板血漿(PRP)は, 血液を遠心分離して得られる血小板や成長因子を豊富に含んだ血漿分画であり, 安全かつ簡便に組織修復を促進し得る低侵襲な新規治療として有望視されている. しかし, 分子レベルでの作用機序に不明点が多いことや, 様々な精製法で得た内容の異なるPRPが種々の疾患に汎用されていることなどが有効性エビデンス構築の障害となっている. 本研究は, 質の異なるPRPによる運動器由来細胞の増殖・分化への影響の比較や動物モデルでの修復の差異の比較などの基礎研究と各種病態に対する異なる質のPRPによる治療効果の比較などの臨床研究を並行して行うことで, 申請者が理想と考える組織や病態に応じたオーダーメイドPRP療法の基盤を確立して運動器疾患治療に貢献することを目的としている.本研究では上記の目的を達成するため, ①各種PRPの質の比較, ②質の異なるPRPが運動器由来細胞の増殖・分化に与える影響の比較, ③動物モデルを用いた質の異なるPRPによる組織修復過程の比較, ④各種病態に対する質の異なるPRPによる治療効果の比較の4つの目標を設定して研究を遂行している. このうち, 2021年度は①および④に関して変形性膝関節症に対するPRP療法における治療効果に影響する因子に関する基礎および臨床研究の成果報告として学会報告や論文化している. また, ③に関してはマウス変形性膝関節症モデルを用いて質の異なるPRP投与を行い, それぞれの軟骨修復過程の検証など組織学的な解析を行っており, 今後研究成果をまとめる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では, 上述の通り予め設定した目標とマイルストーンに従って研究を遂行しており, 現時点までほぼ目標通りに進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
上記マイルストーンのうち②質の異なるPRPが軟骨や関節内滑膜由来細胞の増殖・分化に与える影響の比較と③に関してはマウス変形性膝関節症モデルを用いて質の異なるPRP投与を行い, それぞれの軟骨修復過程の検証など組織学的な解析を行っており, これら基礎研究の成果も踏まえて臨床面においても④変形性膝関節症に対する質の異なるPRPによる治療効果の比較を計画通りに進め, 成果報告を予定している.
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症流行に伴い参加を予定していた国内・国際学会の中止や延期、ウェブ開催などにより, 学会参加費や旅費の支出が当初の予定よりも少なかった. また, 既存の実験系を利用することで遂行可能な研究が多く, 新たな実験試薬や動物購入の支出が当初の予定よりも少なかった. 2022年度は, 実験に必要な機器や試薬, 動物購入, 解析に必要なPCやソフトの購入, 国内外学会での成果発表に伴う参加費や旅費, 論文での成果発表に伴う英文校正費用など次年度使用額と合わせて計画的な使用を検討している.
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] 末梢血および多血小板血漿(PRP)中に含まれる生理活性物質の検討 スポーツ選手と中高年者の比較2021
Author(s)
齋田 良知, 内野 小百合, 小林 洋平, 西尾 啓史, 若山 貴則, 福里 晋, 桃井 康雅, 中嶋 亮介, 武田 純, 池田 浩, 石島 旨章
Organizer
第36回日本整形外科学会基礎学術集会
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