2021 Fiscal Year Research-status Report
Creation of reference values for the stair climbing test and future possibillities
Project/Area Number |
20K19497
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Research Institution | Tokai Gakuen University |
Principal Investigator |
松元 隆秀 東海学園大学, スポーツ健康科学部, 助手 (80846113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 下肢筋力 / 階段駆け上がりテスト |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者の下肢筋力の測定方法に着目し、従来の脚筋力計や脚伸展パワー測定器など、高価で専門性の高い機材を使用しない階段駆け上がりテストの可能性を検討することを目的とした。本研究報告はその報告の2年目に該当する。 2021年度は、COVID-19の影響により、大規模な調査を実施することができなかったため、既存の階段駆け上がりテストのデータを使用し、改めて階段駆け上がりテストの特徴を明らかにすることとした。今回の研究は、1段~9段の階段を用いて行ったものである。 対象者は男性29名(平均年齢75±5歳)、女性129名(平均年齢74±6歳)であった。階段駆け上がりテストの特徴を明らかにするため、各区間ごとの男女の階段駆け上がりテストで算出されたパワーの比較、性別ごとの脚伸展パワーと階段駆け上がりパワーの関係、性別ごとの最大パワーが発揮される区間、Bland-Altman Plotを用いた階段駆け上がりテストの特徴について検討を行った。 階段駆け上がりテストを用いて、1段~9段、1段~3段、3段~5段、5段~7段、7段~9段の区間で男性と女性でパワーを比較したところ全ての区間で男性の値が有意に高かった。脚伸展パワーと階段駆け上がりパワーの関係は、全体(r=0.543,p<0.001)、男性(r=0.522,p<0.01)、女性(r=0.270,p<0.05)の全てで有意な関連認められた。また、区間ごとのパワーを比較したところ、全体と女性で3段~5段の区間が有意に高い値を示した。男性では、有意な差は認められなかったがどの区間よりも高い値であった。Bland-Altman Plotでは、どの群においても95%信頼区間に0を含んでいないため測定値が一定方向に分布しており、加齢誤差が認められた。この点から、下肢筋パワーの水準が高い高齢者を評価する場合は注意が必要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究発案当初の予定では、2020年度に被験者の募集および測定調査を行う予定であった。また、2021年度は2020年度および2021年度の対象者のデータを用いて虚弱な高齢者と健常な高齢者を含んだ階段駆け上がりテストの基準値を年代ごとに作成する予定であったが、1年目はCOVID-19の影響、2年目はCOVID-19(デルタ株、オミクロン株)の影響で測定調査が出来ていない。そのため、本研究は当初の予定よりも大幅に遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は当初の計画では、測定調査の2年目に該当し、測定データの蓄積およびFrailty(虚弱)な高齢者の下肢筋力の比較、サルコペニア、ロコモティブシンドロームの症状に該当する高齢者の階段駆け上がりテストのカットオフ値を作成する予定であった。しかしながら、現在、測定調査が全くできていない。この点から考えても当初の4年間の予定とは大幅に期間が足りなくなっているのが本研究の状況である。そのため、研究計画の大幅な修正が必要である。研究計画の最終年はこれまでのデータを経年的に検討する予定であったが2年間のデータは経年的調査としては不十分は可能性が考えられる。そのため、カットオフ値の作成までで、研究全体を報告するのか、研究期間を延長し、もう1年研究を行う必要があるのか検討していく必要がある。
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響により、当該年度に実施するはずであった測定が実施できなかったため、人件費や施設利用費などの測定調査に関連した項目の支出がなかったことが大きな理由である。次年度の測定調査に余った費用を用いて測定を行う。
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