2023 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of reference values for the stair climbing test and future possibillities
Project/Area Number |
20K19497
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
松元 隆秀 桃山学院大学, 共通教育機構, 共通教育機構講師 (80846113)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / 階段駆け上がりテスト / 基準値 / ロコモティブシンドローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者を対象に日常生活に関連が深い動作である階段駆け上がりテストで下肢筋力の測定を行い、その測定方法としての可能性を検討することを目的とした。以下の2つについて検討を行った。①階段駆け上がりテストの各年代における下肢筋力の基準値を作成する。②虚弱な高齢者と健常な高齢者における下肢筋力の差を検討する。 本研究の対象者は、48名(男性4名、女性44名)である。男性のデータが少なかったため本研究では女性のみを対象に分析を行うこととした。そのため、本研究の最終的な分析対象者は女性44名のうちデータの欠損が認められた者3名、および年齢が65歳以下であった者1名を除く40名であった。本研究の分析の結果、階段駆け上がりテストのこの集団における平均値は182.7±33.6wであった。この集団から得られた階段駆け上がりテストのデータを4分位にて基準値を検討したところ、0~162w(0~25%)、163~179w(25~50%)、180~202w(50%~75%)、202w~(75%以上)が基準値となることが明らかになった。次に階段駆け上がりテストと他の測定項目との関係を分析したところ、全身の筋肉量(r=0.558)、四肢の筋肉量(r=0.513)、SMI(r=0.558)、下腿周囲長(r=0.538)、握力(r=0.504)、最大歩行速度(r=0.408)と各症状と関連するとされる測定項目と相関があることが分かった。加えてロコモティブシンドロームの有無で2群で階段駆け上がりテストについて差の分析を行ったところ2群間で有意差(p=0.058)は認められなかったが効果量(Cohenのd)は0.622と中程度の効果を示していた。このことから階段駆け上がりテスト高齢者の筋力を評価する測定項目として有用である可能性が考えられる。今後はサンプル数を増やして検討していく必要がある。
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