2020 Fiscal Year Research-status Report
野球打撃におけるスイング速度と正確性の調整スキルの解明
Project/Area Number |
20K19504
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
森下 義隆 立命館大学, スポーツ健康科学部, 助教 (50549483)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 打撃 / スイング速度 / 正確性 / トレードオフ / 関節運動 / バイオメカニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
野球の打撃では、極めて短い時間でバットを加速させ、バットの芯でボールを捉える技能が求められる。一般的に、動作のスピードと達成すべき課題の正確性は反比例の関係にあるため、打撃において正確なボールインパクトを実現するにはバットのスイング速度の調整が重要なポイントになる。しかしながら、打撃動作においてスイング速度とインパクトの正確性との関係、および両パラメータを調節している動作要因は明らかになっていない。そこで本研究では、熟練した打者のスイング速度と正確性の調整スキルを解明し、打撃技能向上のための知見を得ることを目的とした。 令和2年度では、野球の打撃動作においてスイング速度とインパクトの正確性との間に反比例の関係(speed-accuracy trade-off)があるかどうかを検証するための予備実験を行った。予備実験ではモーションキャプチャシステムと高速度カメラを用いて、打撃動作中のバットの座標データとバットとボールが衝突する映像データを収集した。得られたデータから3次元におけるインパクト直前のスイング速度とバットに対するボールの衝突位置を算出するための計算プログラムを作成した。また、研究代表者が所属する研究機関における倫理審査委員会への審査申請の準備を行った。本実験は、Covid-19の影響により被験者の研究協力を得られなかったため、令和3年度に予定していた実験(スイング速度とインパクトの正確性を調節している動作の調査)と並行して実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Covid-19の影響によって当該年度の前半は研究代表者の所属機関でリモートワークが導入された。また、研究協力を依頼する野球チームも年間を通して活動を自粛・制限していたことから、予定していた実験を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度では、令和2年度に計画していた実験と並行して研究を進める。実験後のデータ分析に要する時間を短縮するため、予備実験のデータから分析プロセスをシミュレートしておく。また、統計解析に耐えうる範囲で実験の被験者数と試技数を減らすことも検討する。Covid-19の影響で研究協力が得られない場合には、令和2年度に計画していた実験のみを実施する。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響で当該年度に予定していた実験が計画通り進められなかったことにより、データ収集と分析で用いる機材や消耗品を年度内に購入する必要がなくなった。同様に、成果発表のための旅費や被験者への謝金等も使用できていないためである。次年度助成金は、研究機材の購入、旅費、人件費等に充てる予定である。
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