2020 Fiscal Year Research-status Report
トレーニング中の筋および血中酸素飽和度は低酸素トレーニングの効果に影響するのか?
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20K19509
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
森 寿仁 兵庫県立大学, 環境人間学部, 講師 (90794298)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 低酸素 / 組織酸素飽和度 / 動脈血酸素飽和度 / 心拍出量 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の予定では,本年度はトレーニング実験を実施する予定であった.しかし,新型コロナウイルス感染症の流行により,研究活動の中断が不定期に起こってしまい,トレーニング実験途中に中断が起こってしまうという懸念から予定を変更せざるを得なくなった.そこで本年度は,当初の予定を変更して2つのテーマを掲げて検討を行った.1つ目が中枢および末梢におけるトレーニング効果の評価方法の確立(課題1),2つ目が低酸素環境下における中枢および末梢での酸素供給および利用を体系的に明らかにすること(課題2)であった. 課題1では,インピーダンス式心拍出量を用いて心拍出量を経時的に計測し,それと酸素摂取量を同時に計測することによって,動静脈酸素較差の経時的変化を定量した.これにより,低酸素トレーニングの効果が,中枢(心拍出量)または末梢(動静脈酸素較差)のどちらの影響を大きく受けて変化しているかをより詳細に検討できることとなった.また,再現性についても確認ができた. 課題2では,標高0m,2000m,3000m,4000mに相当する酸素濃度環境下において,自転車エルゴメーターを用いた多段階負荷試験を実施した.その際,酸素摂取量,心拍出量,動脈血酸素飽和度,組織酸素飽和度等を同時に計測し,異なる酸素濃度環境下における身体内の酸素供給および利用を評価することを試みた.現時点では4名の測定が終了しており,2021年度も引き続き実験を進める予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で予定していた実験は実施できていないものの,本実験に向けての準備段階としては十分な成果が得られているため.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,2020年度に実施していた課題2を引き続き実施するとともに,トレーニング実験の準備を継続する.ただし,社会情勢からトレーニング実験が困難であったとしても,本研究の目的を達成するために十分なデータは取得できる見込みである.
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Causes of Carryover |
2020年度末に実施する予定の実験が新型コロナウイルス感染症の拡大により中止となり,次年度の繰り越しが生じた.2021年度は引き続き実験を実施するため,その際の消耗品および人件費として使用する予定である.
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Research Products
(12 results)