2021 Fiscal Year Research-status Report
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20K19513
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
縣 右門 日本薬科大学, 薬学部, 准教授 (30809132)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自発走運動 / 骨代謝 / microRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、運動や物理刺激により発現した低分子microRNA(miRNA)を網羅的に検索し、どのような種類のmiRNAが運動と骨量維持機構の相互に関わるかを検討する。また、miRNAの標的分子を探索し、骨芽細胞分化および恒常性維持における分子制御メカニズムを新たに示すことで、骨量維持機構においてmiRNAが果たす役割を明らかにすることを目的としている。 当該年度では運動によって発現するmiRNAの種類を検索するため、まずラットを運動群および非運動群に分け、運動(物理刺激)の影響を受けやすい荷重骨の大腿骨および脛骨を摘出した。その後大腿骨および脛骨サンプルからRNAを抽出した。 一般的に骨組織からのRNAやタンパク抽出は非常に難しいことが知られており、さらにmiRNAのような低分子RNAを効率よく回収することは困難である。これまでは骨からのtotalRNA抽出段階において十分な濃度および品質のtotalRNA精製ができなかったが、miRNA抽出にあたって組織の保存方法やRNA抽出作業に改良を加えた結果、今回はtotalRNAの収量および純度に改善が見られ、品質チェックによって高い品質のtotalRNAを獲得することが達成された。さらにtotalRNAからは骨組織に発現が多い遺伝子をPCR法によって増幅させることにも成功しており、筋サンプルや臓器サンプルと比較するとやや濃度数値は落ちるもののメッセンジャーRNAの抽出も問題なく達成されたことを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナ感染症の再流行によるまん延防止重点措置などが頻回に発令され、研究活動が常態化されたとはいえず、また研究機器や消耗品などの不足などもあり通常の予定よりはやや遅れていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今回はラットを用いて自発走運動群と対照群の骨組織からmiRNAを抽出することができたことから、網羅的に両群間のmiRNA発現を比較する予定だったが、予備的に行った運動刺激性RNAの発現比較においてあまり群間差が見られなかったことから、ラットの系統を変更することや自発走運動期間を延長するなどラットの飼育プロトコールの改善が課題である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、必要機器や消耗品費の購入予定にキャンセルなどが生じたため次年度使用額が生じた。翌年度にはこれら機器の購入を予定通り進め、研究計画の遂行を達成していく。
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