2023 Fiscal Year Research-status Report
青年期の高い体力と運動スポーツ実践は高齢期のフレイルを防ぐか?
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20K19516
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
慎 少帥 愛知県立大学, 教育福祉学部, 講師 (80843010)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 大学生 / 筋骨格系の痛み / 全身関節弛緩性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では、大学生157名を対象に、ロコモティブシンドローム(ロコモ)と筋骨格系の症状(痛み、全身関節弛緩性(GJL))との関係を検討した。ロコモの評価には、立ち上がりテストと2ステップテストの運動機能テストに加え、身体や生活状況を調べるロコモ25の3つで構成されるロコモ度テストを使用した。筋骨格系の痛みは自己報告および視覚的評価スケール(VAS)を用いて評価し、全身関節弛緩性はGJLテストを用いて評価した。その結果、ロコモを有する大学生の77.8%が筋骨格系の痛みに悩まされており、ロコモと強い関連が認められた。また、ロコモを有する大学生の55.0%が4箇所以上の関節でGJLが陽性であり、GJLスコアが高いほどロコモの有病率が高いことが確認された。 さらに、大学生におけるロコモと精神障害(うつ病)との関係を調査するために、大学生156名を対象にロコモと中国語版のZung自己評価式抑うつ性尺度(ZSDS)の関連を検討した。その結果、LSグループは非LSグループに比べて握力が低く、ZSDSスコアが高いことが明らかになった。これらの結果から、大学生におけるロコモ予防には、うつ症状を考慮する必要があることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
昨年度から新しい研究機関に移動し、研究環境が変わったため、研究に必要な備品を整えるのに時間がかかり、研究課題に遅れが出ている。そのため、当初予定していた通りに研究を実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度の研究では、本年度に着目したロコモに関する検討だけでなく、フレイルに関連する青年期の体力・運動能力・スポーツ実践との関連性についても検討を実施する予定である。また、これまでの知見を総括し、引き続きフレイル予防およびロコモ予防につながる青年期の運動スポーツ実践の提案を目指す。
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Causes of Carryover |
本年度に実施予定であった研究を十分に遂行できなかったため、直接経費の一部を次年度に繰り越した。翌年度の研究では、繰り越した直接経費および予定されている直接経費を用いて学会発表などを実施する予定である。
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Research Products
(2 results)