2022 Fiscal Year Research-status Report
敏捷性と平衡性を複合した転倒回避能力の評価法と運動実践プログラムの提案
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20K19522
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Research Institution | Toin University of Yokohama |
Principal Investigator |
尾山 裕介 桐蔭横浜大学, スポーツ健康政策学部, 講師 (90825093)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 転倒予防 / 転倒回避能力 / 反応時間 / 姿勢制御能力 / 重心動揺 / 運動機能 / 高齢者 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①敏捷性と平衡性を複合した新たな転倒回避能力の測定(反応バランステスト)の信頼性と妥当性の検討、②反応バランステストと転倒および転倒関連体力との関連、③転倒予防のための運動実践プログラムの提案により、実用性や安全性の高い転倒回避能力の評価法を確立することである。 2022年度は、これまでに収集した反応バランステストの若年者のデータを詳細に分析するとともに、高齢者のデータを収集し、転倒および転倒関連体力との関連を検討した。反応バランステストは重心動揺計上で立位姿勢をとり、光刺激後に素早く片脚を挙げ、10秒間の片脚立ち姿勢を保持するテストとし、片脚を挙上するまでの時間および挙上後の片脚立ちの重心動揺を評価した。若年者のデータを詳細に分析した研究では反応バランステストの反応時間および重心動揺に着目し、重心動揺は局面分けを行い、それぞれの変数の利き脚と非利き脚の比較を行った。その結果、反応時間では利き脚と非利き脚に違いがみられなかったものの、重心動揺では対側のプッシュオフ動作に違いがあることが確認された。また、高齢者の反応バランステストと転倒および転倒不安との関連を検討したところ、転倒不安を有する群のほうが、反応時間が遅く、重心動揺が劣っている傾向であった。そのため、反応バランステストは転倒リスクを評価できる可能性が示唆された。なお、2021年度にまとめた若年者の反応バランステストの信頼性および妥当性に関する論文が掲載された。 2023年度は高齢者の反応バランステストと転倒関連体力との関連を検討するとともに、長期的な運動実践が反応バランステストに及ぼす影響を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高齢者を対象とした測定を実施できたものの、予定していたデータ数を取得することができなかった。そのため、若年者のデータも含め、1つ1つのデータを詳細に分析した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はこれまでの高齢者のデータについて転倒関連体力との関連を検討する予定で、すでに一部のデータは収集できているため、追加で収集する予定である。また、2023年度は運動実践の介入を実施し、運動実践プログラムの有効性についても検証する予定である。さらに、2022年度の研究結果をまとめ、学会発表や論文化を進めていく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、当初の予定よりも測定が円滑に進んでおらず被験者や測定協力者に対する謝金の支出が少なかった。また、研究成果を学会で発表したものの、1回と当初予定していた回数よりも少なく、旅費の支出も少なかった。次年度に国際学会の参加を予定しており、その際に使用する。
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Research Products
(2 results)