2023 Fiscal Year Annual Research Report
走運動と食餌量制限によるエネルギー不足状態における筋質の評価
Project/Area Number |
20K19531
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Research Institution | Tsu City College |
Principal Investigator |
相川 悠貴 三重短期大学, 食物栄養学科, 准教授 (10815749)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 走運動 / エネルギー不足 / 筋質 / 持久的アスリート / 筋繊維タイプ |
Outline of Annual Research Achievements |
持久系競技者は、慢性的なエネルギー不足となり健康障害の危険性が高まることがある。その代表例として、月経異常、低骨密度がある。一方で、エネルギー不足状態が想定される痩身の競技者が、競技会で活躍することも見受けられる。もしかしたら、スポーツ競技者における慢性的なエネルギー不足は健康障害の可能性を高める一方で、運動機能を高める可能性があるかもしれない。本研究の目的は、雌ラットを用いて、走運動と食餌量制限によるエネルギー不足状態において筋質は高まるのか、それとも低下するのかを明らかにすることである。2020年度は、感染症対策により、研究を進められなかった。2021年度は、7 週齢雌ラットを、安静-自由摂食群、走運動-自由摂食群、安静-食餌制限群、走運動-食餌制限群の4 群に分け、12 週間飼育を行い、血液や筋試料の採取を行い、血清の解析を行った。走運動とエネルギー制限の組み合わせにより、体重、脂肪量、下肢筋量、血清総タンパク質、血清アルブミン、血清コリンエステラーゼ、血清コレステロールは低下した。2022年度は、筋のミトコンドリアタンパク質発現量の解析を行った。ミトコンドリア量の指標であるCOXⅠ、COXⅣ、COXⅤの発現量は、速筋主体の足底筋において、安静の2群と比較して運動の2群で高値を示した。遅筋主体のヒラメ筋におけるCOXⅠ、COXⅣ、COXⅤの発現量は、群間で有意差は認められなかった。2023年度は、筋線維タイプと筋毛細血管密度の解析を行った。結果、タイプI繊維とタイプ2a繊維の割合、筋繊維面積に対する毛細血管量は、速筋主体の足底筋において、安静の2群と比較して運動の2群で高値を示した。これらの結果より、走運動と食餌制限の組み合わせは筋質を高める効果は有さないが、走運動は自由摂食条件と食餌制限条件の両方で筋の持久的適応を引き起こすことが示された。
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Research Products
(1 results)