2021 Fiscal Year Research-status Report
Large-scale longitudinal cohort study for the promotion of "watching" and "supporting" sports among older adults
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20K19534
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
辻 大士 筑波大学, 体育系, 助教 (90741976)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スポーツ観戦 / スポーツボランティア / ソーシャル・キャピタル / うつ / 社会参加 / 社会的凝集性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度に日本老年学的評価研究(Japan Gerontological Evaluation Study)が全国60市町村で実施した郵送調査データから21,317人の高齢者を対象とし、「直接現地」と「テレビ・インターネット」でのスポーツ観戦頻度とうつ傾向との関連を調べた。その結果、自身が運動・スポーツを日ごろ実践しているかどうかに関わらず、何らかのスポーツを現地で月1回~年数回観戦している、あるいはテレビ・インターネットで毎週観戦している高齢者は、全く観戦していない人に比べてうつ傾向のリスクが約3割低いことが確認された。さらに、因果媒介分析を行った結果、観戦している人ほど地域に愛着や信頼を持っていたり、友人との関りが豊かであったりすることによって、うつ傾向のリスクの低下がもたらされている可能性が示された。 続いて、同調査で尋ねた運動・スポーツに関するボランティア活動(ささえるスポーツ)への参加状況のデータを用い、どのような特徴を持つ者や地域に暮らしている者でささえるスポーツへの参加が盛んなのかを調べた。その結果、「男性」「高年齢」「飲酒習慣あり」「社会参加・ネットワーク・サポートが豊か」などの個人要因や、「人口密度が低い」「スポーツグループ参加割合が高い」などの地域要因から、計23個の特徴が明らかになった。 以上の2つの成果について、いずれもScientific Reportsに掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画どおりに既存データを用いた分析が進み、impact factorが3を越える英文誌に既に2編の原著論文が掲載済みである。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、改めて全国60市町村を越える自治体を対象とした大規模郵送調査に参画し、追跡データを収集する計画である。これまでは横断的な関連性の検証に留まっていたため因果関係についての議論ができなかったが、2019年度から2022年度にかけた縦断データセットを構築することで、より因果関係の解明に迫った分析を行う。 また、既に掲載済みの研究成果の広報活動を行い、社会還元・実装に努める。
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Causes of Carryover |
予定していた学会参加がオンライン開催となったため、その分の旅費がかからなくなったことで、次年度使用額が生じた。改めて、旅費として使用する計画である。
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