2023 Fiscal Year Annual Research Report
感覚運動協調の予測・適応能力に関与する神経基盤の解明
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20K19535
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮田 紘平 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (30792171)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | sensorimotor / synchronization / DWI / prediction / adaptation / network |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は予測・適応能力に関連した脳構造ネットワークについて調べた。予測・適応能力については、タッピングデータからAdaptation and Anticipation Modeを用いて評価した。脳構造ネットワークについては、拡散強調画像 とTractographyを用いて連結性行列を作成した。そして、行動指標と脳構造ネットワークの関係性については、Connectome-based predictive modelingを用いて評価した。この手法は行動指標と相関する結合を抽出し、その抽出された結合の組み合わせで行動指標を予測するものである。その精度については、Leave-one-out(LOO)交差検証を用いた。その結果、予測・適応能力のいずれの行動指標についても十分な予測精度を得ることができなかった。先行研究において予測・適応能力の脳機能ネットワークの同定には成功している(Bronson et al., 2023)。今回同定できなかった原因として1)Parcellationのテンプレート、2)交差検証の方法、3)ネットワークの種類の違いが考えられる。領域間の結合を調べる際には各脳領域をグループ化するが、先行研究で使われていたParcellationテンプレートの個人脳への当て込み精度が悪かったため、より精度の高い手法に変更し、異なるテンプレートを使用した。交差検証については、先行研究では2セッションをそれぞれトレーニングとテストデータとしていたが、両セッションに同じ被験者が含まれるという点でデータの独立性に問題があると考え、LOO交差検証を用いた。上述の二点が原因でない場合は、機能と構造ネットワークの違いによるもので、行動指標に関連した構造ネットワークが存在しないと考えられる。今後、それぞれの可能性を慎重に検証していきたい。
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