2021 Fiscal Year Research-status Report
Considering the diversity of body "shape" using the 3-D homologous body model
Project/Area Number |
20K19542
|
Research Institution | Jumonji University |
Principal Investigator |
相馬 満利 十文字学園女子大学, 人間生活学部, 助教 (40805537)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 相同モデル / 形態計測 / 身体組成 / 主成分分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日本代表選手を含む競泳選手の体幹部に焦点を当て、相同モデル手法を用いて一般人との比較から競泳選手の体幹部の特徴および体の「かたち」とパフォーマンスとの関係を明らかにすることであった。その結果、以下のことが明らかになった。 ①主成分分析の結果、体幹部の「かたち」の89。1%を16個のPCで特徴づけられ、PC1(寄与率27。1%:体幹部の肥満度や痩身度)、PC4(寄与率8。5%:体幹部の肥満度や痩身度)およびPC8(寄与率3。4%:肩峰間幅長や腰部の前弯傾斜角度変化)で統計上有意な差がみられた。 ②相同モデル化し、相対的にみた男子競泳選手の体幹部の特徴は、一般男性と比較して、体幹部が長く、胸部の発達とより細い腹部、広い肩幅を有しており、腰部の前弯傾斜角度が小さい傾向が示された。また、FINAポイントが高くパフォーマンスが高い選手ほど、筋肉や骨格が発達しており、相対的により細い腹部を有している傾向が示された。 ③日本代表選手は、平均的な選手と比較し、胸部や広背筋、前鋸筋の発達と、腹部が細い傾向が示された。 以上のことから、胸部の発達は、競泳競技に必要な主要な筋の発達を反映する評価となり、パフォーマンスに大きく寄与する部位であり、体の「かたち」は、パフォーマンスに影響を与える重要な1つの要素であることが示された。相同モデル化し、体の形状の分類をすることで、従来のサイズ計測や「かたち」の表示だけでは検出できない、より詳細な形状の特徴を見出し、体の「かたち」の多様性を明らかにできたことは、令和3年度の成果である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の状況等から、交付申請書作成時点で記載した研究実施内容の競技団体との調整が困難であったため、計測方法の確認やデータ分析の方法論について検討を重ね、当初の研究計画内容の令和2年度年度計画である「競技や種目に特化した全身形状変化の検討」をさらに競技を限定して、「競技に特化した体幹部形状変化の検討」に変更を余儀なくされた。しかしながら、本研究計画を速やかに実行できる研究環境が整っており、すでに本研究の提案の予備実験は着手済みだったため、結果的にトップクラスの競泳選手のデータ、一般人のデータ、併せて60名近いデータを修得することができたため、「やや遅れている」とした。さらにデータ数を確保することは今後の課題である。 次年度も引き続き精力的に研究を追行し、さらに計測環境、特にデータ処理などの研究環境を改善して本研究の成果を発表して行く予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度に関しては、昨年、令和3年度の課題でもある計測環境、特にデータ処理、分析などの研究環境の改善およびデータサンプル数の確保、競技種目の確保が第一となる。また、令和3年度、新型コロナウイルスの世界的感染拡大の状況等から、交付申請書作成時点で記載した研究実施内容の競技団体(体操競技団体など)との調整が困難であったため、令和4年度は、改めて打診をし、競技の確保を目指す。それに加え、研究計画書の予定通り、「加齢および発育発達に伴う体型変化の検討」に取り掛かる。
|