2020 Fiscal Year Research-status Report
身体機能評価を基準としたACL損傷予防プログラムの開発とその効果の検証
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20K19544
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
鈴木 秀知 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (90511428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前十字靭帯 / 傷害予防 / 着地動作 / 股関節周囲筋筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
前十字靭帯(ACL)損傷予防が普及しているのにもかかわらず、ACL損傷発生率は減少していない。その原因として、個人の身体的特徴を考慮しない画一的なACL損傷予防プログラムの実施があげられる。 本研究では、ACL損傷予防のためのスクリーニングとして使用されている、股関節周囲筋筋力と着地動作の評価を用い、1)個人が抱えているACL損傷危険因子の解明、2)個人が抱えているACL損傷危険因子の改善に焦点をあてたACL損傷予防プログラムの効果について明らかにすることを目的とする。また、3)ACL損傷予防プログラムが、スポーツパフォーマンスに与える影響について明らかにすることも目的とする。 個人が抱えているACL損傷危険因子を明らかにするため、ACL損傷リスクの高いスポーツに参加している健康な男子25名を対象とし、徒手筋力計を用いて股関節外転、外旋筋群の筋力測定、ランディングエラースコアリングシステムを用いて着地動作の評価を行った。また、股関節周囲筋筋力と、スクワットジャンプ(SQJ)、カウンタームーブメントジャンプ(CMJ)、リアクティブストレングスインデックス(RSI)との関係を明らかにした。 その結果、股関節周囲筋筋力不全者は24%(6名)、着地動作不全者は36%(9名)、両不全者は32%(8名)、問題なしは8%(2名)であった。左外転筋群筋力以外の股関節周囲筋筋力とSQJ、CMJ、RSIとの間には、有意な正の相関関係が認められた。 複合的なACL損傷リスクを抱えている男子選手と、個別のACL損傷リスクを抱えている男子選手がいることが明らかになった。個人が抱えているACL損傷危険因子の改善に焦点を当てたACL損傷予防プログラムを実施する意義が示される結果となった。また、股関節周囲筋の筋力向上はパフォーマンスの向上に有益である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症による研究施設の使用制限、対象者への接触制限があり、十分な実験が実施できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに測定したデータの分析と研究成果の発信の準備を行っている。また、対象者への接触が可能となれば直ちに実験を行い、予定している研究計画を遂行していく予定である。
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Causes of Carryover |
測定に必要な物品購入のために100,000円前倒し請求を行ったため、次年度使用額が0より大きくなった。前倒し請求を行ったが、測定に必要な機材が揃ったため、今後の研究計画に大きな変更はない。
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