2021 Fiscal Year Research-status Report
身体機能評価を基準としたACL損傷予防プログラムの開発とその効果の検証
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20K19544
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
鈴木 秀知 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (90511428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 前十字靭帯 / 傷害予防 / 着地動作 / 股関節筋力 |
Outline of Annual Research Achievements |
前十字靭帯(ACL)損傷予防が普及しているのにもかかわらず、ACL損傷発生率は減少していない。その原因として、個人の身体的特徴を考慮しない画一的なACL損傷予防プログラムの実施があげられる。本研究では、ACL損傷予防のためのスクリーニングとして使用されている、股関節周囲筋筋力と着地動作の評価を用い、1)個人が抱えているACL損傷危険因子の解明、2)個人が抱えているACL損傷危険因子の改善に焦点を当てたACL損傷予防プログラムの効果について明らかにすることを目的とする。また、3)ACL損傷予防プログラムが、スポーツパフォーマンスに与える影響について明らかにすることも目的とした。 今年度は、健康な女子選手29名を対象とし、徒手筋力計を用いて股関節外転、外旋筋群の筋力測定、ランディングエラースコアリングシステムを用いて着地動作の評価を行った。また、股関節周囲筋筋力と、スクワットジャンプ、カウンタームーブメントジャンプ、リアクティブストレングスインデックスとの関係を明らかにした。測定の結果、股関節筋力不全者は0%(0名)、着地動作不全者は17.2%(5名)、両不全者は82.8%(24名)、問題なしは0%(0名)であった。股関節周囲筋筋力と全てのジャンプ能力との間に有意な相関関係は認められなかった。 男女により、複合的なACL損傷リスクを抱えている割合が異なることが明らかになった。また、股関節周囲筋筋力がジャンプ能力に与える影響も男女で異なることが明らかになった。本研究の結果により、個人が抱えているACL損傷危険因子の改善に焦点を当てたACL損傷予防プログラムを実施する意義が示される結果となった。また、股関節周囲筋の筋力向上は性別により異なる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて介入実験が計画通り進んでいない部分がある。 また、仮説は異なる結果が出てきており、当初の研究計画とは異なる検討を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウィルスの感染症の状況をみながら、介入実験の期間の再検討を行う。 また、当初の仮説とは異なる結果の検討を行うため、蓄積したデータ内容を確認し、新たな検討方法を確認していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症により、学会がオンライン開催になったことにより、旅費交通費が発生しなかったことにより金額に差異が生じた。 学会発表を追加し、積極的に研究内容を公開していく。
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