2022 Fiscal Year Research-status Report
身体機能評価を基準としたACL損傷予防プログラムの開発とその効果の検証
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20K19544
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Research Institution | J. F. Oberlin University |
Principal Investigator |
鈴木 秀知 桜美林大学, 健康福祉学群, 准教授 (90511428)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 前十字靭帯 / 傷害予防 / 着地動作 / 股関節筋力 / 股関節周囲筋筋力 / 身体機能評価 / 予防プログラム |
Outline of Annual Research Achievements |
膝前十字靭帯(ACL)損傷予防が普及しているのにもかかわらず、ACL損傷発生率は減少していない。その原因として、個人の身体的特徴を考慮しない画一的なACL損傷予防プログラムの実施があげられる。本研究では、ACL損傷予防のためのスクリーニングとして使用されている、股関節周囲筋筋力と着地動作の評価を用い、1)個人が抱えているACL損傷危険因子の解明、2)個人が抱えているACL損傷危険因子の改善に焦点を当てたACL損傷予防プログラムの効果について明らかにすることを目的とする。また、3)ACL損傷予防プログラムが、スポーツパフォーマンスに与える影響について明らかにすることも目的とした。 昨年度から引き続き、女子選手の測定を行い、合計37名の女子スポーツ選手の測定を行った。測定の結果、股関節筋力不全者は0%(0名)、着地動作不全者は24.3%(9名)、両不全者は73.0%(27名)、問題なしは、2.7%(1名)であった。 本測定により、男女ともに複合的なACL損傷リクスを抱えている選手が存在することが明らかになったことから、本研究目的である、個人が抱えているACL損傷危険因子の改善に焦点をあてたACL損傷予防プログラム実施が、ACL損傷予防において重要である可能性が示唆された。また、複合的なACL損傷リクスは、男女によりその割合が異なる可能性が示唆された。特に、着地動作に問題はなく、股関節筋力に問題がある対象者(股関節筋力不全者)は、女子選手を対象とした本測定では認められなかった。今後、測定人数を増やし、この項目に該当するスポーツ選手に有意な男女差が認められるかを明らかにする必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を受けて介入実験が計画通り進んでいない部分がある。 また、仮説は異なる結果が出てきており、当初の研究計画とは異なる検討を行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の仮説とは異なる結果の検討を行うため、蓄積したデータ内容を確認し、新たな検討方法を確認していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症の影響により対象者を十分に確保することができなかった。また、研究当初の仮説と異なる結果が得られているため、その調査を実施しているため。
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