2022 Fiscal Year Research-status Report
トップアスリートの競技復帰を加速するための高気圧酸素治療指針の確立
Project/Area Number |
20K19547
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
安井 洋一 帝京大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80527466)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 足関節外側靭帯損傷 / 足関節捻挫 / 高気圧酸素療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、足関節捻挫による足関節靭帯損傷に対して高気圧酸素治療を行い、その有効性と安全性を評価する研究である。 本研究で実施する高気圧酸素治療は、コンパートメント症候群や重症頭部外傷に対しては保険収載されているが、スポーツ外傷に対しては適応外使用である。そのため、本研究は臨床研究法に定められる特定臨床研究に該当するため、2020年度~2022年度にかけて、研究計画に関して認定臨床研究審査委員会での審査と承認に時間を要した。 対象者はスポーツ中に生じた足関節捻挫症例とする。初診時より全例標準治療(外固定、消炎鎮痛剤、安静)を開始した上で、スクリーニング時に適格基準及び除外基準を確認する。対象患者に研究責任医師及び研究分担医師より説明を行い、文書による同意を取得する。同意を得られた対象患者を、Electronic Data Capture (EDC)を用いて無作為に高気圧酸素治療(HBO)群、標準治療(ST)に割り付ける。HBO群は標準治療にHBO治療を追加する治療とし、受傷後5日以内に開始する。主要評価項目として、初診時からDay7(受傷日をDay0とカウント)のKarlsson scoreの変化をHBO群とST群で比較する。Day7,14,21,28,35,42に臨床スコア(Karlsson score, SAFE-Q)、身体所見、復帰プログラム開始、全体練習復帰状況を確認する。90日、180日後に臨床スコア、身体所見、超音波による受傷靭帯の評価とスポーツレベルの評価を行う。目標症例数は、主要評価項目に対して統計学的に検討し、両群合わせて70名とした。帝京大学スポーツ医科学センターには年間120例ほどの足関節捻挫の症例が受診していることから、本研究の目的症例数は十分に達成できる見込みである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
特定臨床研究に該当するため、倫理員会の承認に時間を要した。承認手続きは複数回にわたりに、2023年1月に本研究開始に関して承認を得た。EDCシステムの構築も終了し、3月より研究を開始したところである。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りのリクルートが進めば、2023年までには症例のリクルートが目標症例数に達する見込みである。
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Causes of Carryover |
2023年度より研究が本格的に開始になり、最も費用を要する高気圧酸素療法費が必要となるため。
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