2020 Fiscal Year Research-status Report
スタジアムの建設候補地と外部性の評価法開発を通じた政策的意思決定支援
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20K19552
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
舟橋 弘晃 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 講師(任期付) (10758551)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | スタジアム / アリーナ / 立地選定 / 外部性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下の3点の調査・研究を実施した。 第一に、スタジアム・アリーナ整備効果のシステマティックレビューである。スタジアムやアリーナへの建設に公的資金投入は、地域全体の経済効果、スポーツが有する外部経済性と公共財的側面から正当化されるが、これらの主張が学術的根拠に裏付けられているかは不明であった。そこで、先行研究のシステマティックレビューを実施した。1997年以降に査読付き学術誌に掲載された、スポーツ施設やプロスポーツチームのインパクト検証を行った擬似実験研究他52件をレビューし、効果の範囲や種類、主な分析結果について整理した。以上の内容は、日本スポーツ産業学会第29回大会で口頭発表し、スポーツマネジメント研究に掲載された。 第二に、スタジアム建設の立地評価要素の抽出である。スタジアムの建設候補地の選定や事業の有効性を検証する際に情緒的な議論が展開され、建設を巡る交渉・調整が難航している事例が散見される。そこで、スタジアムの立地選定の合理的な意思決定支援を目指し、立地場所の条件評価をする項目抽出を行った。データは、スタジアムの立地選定がなされたケースにおける関係者7名へのインタビュー調査ならびに文献調査により収集し、現在分析を進めている。 第三に、スポーツの外部性評価研究として、プロスポーツ興行が地域の感染症伝播状況に与える影響を分析した。過去のプロスポーツ興行と開催地域におけるインフルエンザの感染状況との関係を詳らかにすることは、ウィズコロナ時代のプロスポーツビジネスに重要な示唆を持つ。インフルエンザとプロ野球の開催情報をパネルデータに整備し、スポーツ興行の開催が地域の感染症伝播状況を悪化させるということが明らかとなった。以上の内容は、日本スポーツマネジメント学会第13回大会にて口頭発表した。研究成果は論文として国際誌に投稿済み(査読対応中)である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究プロジェクトが計画通り進められているため
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果を論文投稿すると共に、スタジアム・アリーナ整備が周辺環境に与えるインパクト評価についての研究を当初の予定通り進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で旅費を執行されなかったため次年度への繰越金が発生した。次年度以降については、場合によって研究計画を発展させることで予算を執行する。
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