2022 Fiscal Year Research-status Report
スタジアムの建設候補地と外部性の評価法開発を通じた政策的意思決定支援
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20K19552
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
舟橋 弘晃 中京大学, スポーツ科学部, 准教授 (10758551)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | スタジアム / アリーナ / 立地選定 / 外部性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、以下2点の研究を行った。
第一に、スタジアム建設候補地の立地評価基準に関する研究である。昨年度までの調査によって精選された立地評価基準の階層構造を構築することを目的として、多様なステークホルダー(Jリーグ所属クラブ、Jリーグクラブのホームタウン自治体など)に対してアンケート調査を実施した。データを分析した結果、スタジアム建設候補地選定の階層構造は、「機会費用」「社会的費用」「周辺の開発ポテンシャル」「公共交通機関によるアクセス」「自家用車によるアクセス」という5つの主基準と、21の副基準で構成されることが明らかとなった。この階層モデルをベースに、16名の有識者によるスタジアムの立地選定基準の相対的重要度を算出した。また、ある自治体のスタジアム建設構想をテストケースとして、本研究の結果の有効性を検証した。以上の内容は、日本スポーツマネジメント学会第15回大会にて口頭発表し、国際誌への投稿に向けて執筆中である。
第二に、スタジアム・アリーナの外部性評価研究である。プロスポーツ興行が地域のインフルエンザ感染症伝播状況に与える影響を分析し、流行期における試合開催が地域の感染症伝播状況を悪化させるという知見を得た。以上の研究成果は、Journal of Sport Economicsに掲載された。また、スタジアム・アリーナの整備が住環境に与える影響についての研究プロジェクトを始動し、共著者との討議を重ねながら、データセットの整備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属研究機関の異動により、研究環境が大幅に変化し、授業(準備)・校務への従事時間が増えた。そのため、予定していた研究を実施することができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
スタジアム建設候補地の立地評価基準に関する研究を論文にまとめることを優先的課題とする。また、スタジアム・アリーナ整備の外部性検証についての新たな研究プロジェクトも当初の予定通り進める。
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Causes of Carryover |
補助事業期間延長したため。また、前年度にCOVID-19の影響で未使用となった旅費の繰越余剰があるため。次年度の共同研究者との打ち合わせや学会参加費などの旅費に計上する予定である。
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