2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K19566
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 志郎 東京大学, 社会科学研究所, 特任准教授 (50708980)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | eスポーツ / ゲーム依存 / 健康 / 抑うつ / 縦断調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、eスポーツの健康的使用(ヘルシーユース)のための科学的情報の収集を目的として、オンラインパネル調査を実施した。eスポーツファンは近年若者を中心に拡大している。一方で、国際疾病分類であるICD-11でゲーム障害が新たに分類されるなど、ゲーム依存研究の文脈から様々なリスクの懸念が示されており、悪影響を最小限にするための健全な利用について、調査研究を行う必要性が指摘されている。 そこで、2021年から2022年にかけ、eスポーツの健全な利用のためのガイドライン策定のための情報を得ることを目的としたパネル調査を実施した。対象は、最近、月数回以上の頻度でeスポーツを使用していると回答した15歳から39歳の若者である。 最終年度はデータの分析を行ない、国際会議での口頭発表および国際ジャーナルへの投稿を行った。分析の結果、eスポーツの利用時間が長いことは、身体的不健康および攻撃性の高さと有意に関連していた。一方で、本研究で定義した「eスポーツマンシップ」を高めることで、ゲーム依存傾向を軽減させることができる可能性を示唆した。また、eスポーツマンシップの規範的因子と、ウェルビーイングの高さ、身体的不健康およびゲーム依存傾向の低さ、共感性と自己肯定感の高さと関連することを示した。これらは一貫して、eスポーツマンシップがeスポーツの健康的使用に寄与する可能性を示唆するものである。 これらの成果をまとめ、国際会議での口頭発表および国際ジャーナルへの投稿を行った。
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