2021 Fiscal Year Research-status Report
骨格筋の状態を客観的に評価する方法の確立とその応用
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20K19576
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
平塚 和也 立命館大学, 共通教育推進機構, 嘱託講師 (40792213)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 筋収縮 / コンディショニング / Tensiomyography |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、デジタル変位センサーと電気刺激装置を用いて骨格筋の形状変化量から収縮特性を測定することができるTensiomyography(TMG)が開発された。先行研究では、TMGによって測定された骨格筋の収縮特性が筋の状態の評価に役立つ可能性が示されているものの、実際のスポーツ現場では筋の状態を評価する方法として活用するまでには至らず、その評価法として確立されていない。そこで本研究の目的は、TMGを用いて測定した骨格筋の収縮特性、すなわち変位量・収縮時間・変位速度に基づいて筋の状態を評価する方法を確立するとともに、実際のスポーツ現場でTMGを縦断的に使用し、筋のコンディショニングチェックに有用な情報を得ることである。 令和3年度は、当初令和2年度に予定していた短縮性(CON)及び伸張性(ECC)運動がTMGによって測定された骨格筋の収縮特性(変位量・収縮時間・変位速度)に及ぼす影響について検討した。対象は健常成人男性11名とし、期間をあけてCON及びECC運動を実施した(CON及びECC運動の総仕事量は有意差なし)。骨格筋の収縮特性及び最大随意筋力(MVC)等は運動前後、1時間後及び1~5日後に測定した。CON運動のMVC、変位量及び変位速度は、運動前に比べて運動直後に有意に低い値を示したが、1~5日後には有意差が見られなかった。一方、ECC運動のMVC、変位量及び変位速度は、運動前に比べて運動直後から5日後まで有意に低い値を示していた。各運動後の変位量及び変位速度の変化はMVCの変化と類似していた。これらの結果は、収縮様式の違いによってTMGを用いて測定された骨格筋の収縮特性がどのように変化し、どのように回復するかを理解する上で重要であり、運動後の筋機能低下による疲労及び回復の検出においてTMGは有用であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和3年度は、令和2年度にやり残した実験 (研究1) と令和3年度に予定していた実験 (研究2) を実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大により実験開始時期が大幅に遅れたため、令和2年度に実施予定の実験 (研究1) のみしか終えることが出来なかった。そのため、「遅れている」と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度に実施した研究1によって得られた結果を学会発表および論文化させて公表していく予定である。また、令和4年度は、令和3年度と令和4年度に実施予定であった実験 (研究2と研究3) を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の実施計画通りに研究が遂行できなかったことや参加を予定していた学会が中止またはリモート開催となり、その分の旅費が残ったため、次年度使用額が生じてしまった。令和4年度は令和3年度に遂行する予定であった研究も含めて実施し、学会大会への参加、雑誌への投稿を積極的に行い、予定通りに予算を使用するよう心掛ける。
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