2020 Fiscal Year Research-status Report
歩行能力の改善に向けた高齢者の歩行動作メカニズムの解明
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20K19586
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Research Institution | Kobe Shinwa Women's University |
Principal Investigator |
宮辻 和貴 神戸親和女子大学, 発達教育学部, 准教授 (90717563)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歩行 / 高齢者 / 若年者 / 動作解析 / 速度変化 / 行動体力 / 老化予防 / 運動指導現場 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高齢者の歩行運動における異なる速度条件下での歩行動作と行動体力との関連性を統合的に理解すること、及びその知見が高齢者の一生涯に関わる健康づくりや体力づくりに携わる運動指導現場へ応用できる可能性について検討したうえで、歩行指導を含めた歩行能力の改善に寄与する知見を得ることである。 2020年度の研究実績としては、第1に所属研究機関の研究倫理審査委員会での承認、第2に研究環境の構築のために必要な測定用機器の整備(モーションキャプチャーシステム、体力測定機器等)および設置、第3に本研究課題の遂行に向けた予備実験等の準備・手配を中心に測定を進めている。しかしながら、新型コロナウイルス感染予防対策の全国的な措置の影響により、当初予定していた予備実験および本実験から得られるデータ測定が停滞しているのが現状である。 2021年度における研究の展開としては、当初予定していた研究課題から研究計画の再構築を視野に入れつつ、実験の準備を進める。特に、高齢者特有の歩行パターンメカニズムを解明するためには、低速度から最高速度に至るまでの歩行速度の変化によって生じる歩行動作の動きを示す必要がある。この速度変化による高齢者特有の歩行パターンを数多く蓄積することにより、行動体力との関連性が深い加齢の影響によるフレイルやサルコペニアなどの老化予防に向けた運動指導現場への応用に新たな情報になり得る。つまり、この速度条件設定の変化に伴い生じる歩行運動メカニズムの解明に迫ることは重要な試みになると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究課題の研究計画に沿った取り組みに遅れを生じている。 その理由としては、新型コロナウィルス感染症の感染拡大における被験者(高齢者、若年者)および実験補助員の確保、実験場所である大学の入構制限等により、予定していた実験計画のスケジュール自体の実施が困難になったことが大きな原因である。 2021年度においては、2020年度当初に予定していた研究計画の再構築(変更を視野に入れつつ)を図るとともに、対象者である被験者および実験補助員の安全面に対する配慮を十分に行いながら、適宜修正した新たな研究計画に沿った内容にて実験を遂行できるように努力する。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の当初課題は新型コロナウィルス感染症の感染拡大の影響により、予定していた実験計画のスケジュール自体を遂行することができなかったため、研究計画の再構築(変更を視野に入れつつ)を行ったうえで準備を進めていくことが必要である。 2021年度において実験が再開できるようになった際には、高齢者の歩行能力の改善につながるメカニズムを解明する条件として速度を規定化し、速度が規定化された一般的な手法であるトレッドミル歩行を活用するのではなく、実際の歩行動作を対象者により再現することが必要不可欠である。その内容を踏まえ、高齢女性と若年女性の異なる速度条件下(低速度から最高速度)における歩行指標、歩行動作指標と行動体力との関連性を中心に比較を行い、高齢者特有の歩行パターンメカニズムを明らかにする必要がある。その上で、これからの高齢者の健康・体力づくりに携わる運動指導現場に寄与する要因として、身体運動の基礎となる歩行能力の改善に向けた歩行指導につながるデータベースの構築を模索していく予定である。
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Causes of Carryover |
2020年度は本研究課題の遂行に遅れが生じたため、直接経費の執行に差額が生じている。 その理由としては、当初予定していた研究計画に基づく実験が中止となり、2021年度に持ち越される必要が生まれた。 今後の本研究課題の進捗状況に応じて、本実験に必要な物品の購入、被験者の確保、実験補助員の確保、データ分析補助等に助成金を使用する予定である。
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