2021 Fiscal Year Research-status Report
軽度な高気圧酸素を使用した高強度運動後のリカバリー方法の検討
Project/Area Number |
20K19590
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹村 藍 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員 (20845903)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 軽度な高気圧酸素 / 血圧 / 心拍数 / 血中酸素飽和度 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高強度運動後のリカバリーに対する軽度な高気圧酸素への滞在後に生じる変化を明らかにするためにおこなった。高強度運動は心循環器系を大きく変化させるために、軽度な高気圧酸素が心循環器系へ及ぼす影響を明らかにすることは重要である。2021年度は、軽度な高気圧酸素が循環器に及ぼす影響について明らかにするために実験を行った。本研究では軽度の高気圧酸素が血圧、心拍、血中酸素飽和度に及ぼす影響を明らかにした。被験者は10名 (男性6名、女性4名) で、異なる2日間に、通常環境、および、軽度の高気圧酸素の環境下に45分にわたって滞在した。軽度な高気圧酸素は、15分かけて1気圧 (常気圧) から1.3気圧に上昇し、その後15分間1.3気圧を維持したのちに15分かけて常気圧に戻る環境を使用した。酸素濃度は、通常環境が20.9%であるのに対し、同環境下では30%程度にまで上昇した。その結果、心拍数が低下し、血中酸素飽和度の上昇が認められた。また、軽度な高気圧酸素への滞在45分後時点の血圧の変化比率は、通常環境への滞在と比較して高値を示した。これらの結果は、軽度な高気圧酸素への滞在または滞在後に後負荷が上昇したものと考えられる。本研究結果から、軽度な高気圧酸素への滞在が及ぼす心循環器系への影響が明らかとなった。慢性的な高血圧または低血圧はいずれも健康に悪影響を及ぼす。慢性的な低血圧への改善に繋がる可能性がある一方で、高血圧を有する人に対しては使用に注意が必要であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
軽度な高気圧酸素は高強度運動の後に及ぼす影響について明らかにする上でまず調べる必要がある心循環器系への影響を明らかにすることができた。また運動後に上昇する分泌型免疫グロブリンなどストレス応答に関する分析、また骨格筋への酸素供給関する指標の分析の準備を進めることができた。研究は問題なく順調に進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
高強度運動軽の軽度な高気圧酸素の影響を明らかにするためには、心循環器系への応答に加え、骨格筋でどのような変化が起きているかを明らかにすることが必須である。そこで、2021、2022年度は軽度な高気圧酸素の環境が、高強度運動後の応答(特に血液成分)へ及ぼす影響、また骨格筋への酸素供給について明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、被験者数や測定項目を限定した実験を行った。そのため、一部は次年度使用額として、被験者数、及び、測定項目ともに当初の計画通りの実験を行う予定である。
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Research Products
(2 results)