2023 Fiscal Year Annual Research Report
軽度な高気圧酸素を使用した高強度運動後のリカバリー方法の検討
Project/Area Number |
20K19590
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
竹村 藍 立命館大学, 総合科学技術研究機構, 特別研究員(PD) (20845903)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋損傷 / 軽度な高気圧酸素 / Cardiotoxin |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高強度運動後のリカバリーに対する軽度な高気圧酸素への滞在後に生じる変化を明らかにするためにおこなった。筋損傷を軽度な高気圧酸素で早期に改善することができれば、スポーツ現場での高強度なトレーニングの後の早期リカバリーにつながる。そこで、2023年度は、実験動物を使用して筋損傷に対する軽度な高気圧酸素の影響を明らかにした。7週齢のC57BL/6JmsSlcマウスを1週間順化させた後に、通常環境 (CON) 群と軽度な高気圧酸素 (MHO) 群の2群に分けた。両群ともに30μL のCardiotoxin (70μM) を前脛骨筋に筋注した。CON群は1気圧、20.9%酸素環境下に4週間にわたって滞在させた。MHO群は、筋注の翌日からチャンバーを使用して軽度な高気圧酸素 (1.3気圧、約38%酸素) に1日3時間にわたって4週間滞在させた。その後、両群の前脛骨筋を摘出し、薄切した筋切片を作製して形態的変化の検討のためにヘマトキシリン・エオジン染色を、また、骨格筋ミトコンドリア量の検討のためにコハク酸脱水素酵素染色を行った。その結果、体重、および、前脛骨筋重量はCON群とMHO群で有意な差は認められなかった。また、コハク酸脱水素酵素の染色濃度は2群間で有意な差は認められなかった。一方で、前脛骨筋の筋線維サイズはCON群と比較してMHO群で高い値を示した。本研究結果から、4週間にわたる軽度な高気圧酸素は筋損傷による筋繊維サイズの低下を早期に回復させた。実験動物を使用して、軽度な高気圧酸素がCardiotoxinによる筋損傷を早期回復させる可能性を示した本研究は、現場での高強度トレーニング後の筋損傷を早期にリカバリーする可能性を示唆する重要な結果である。
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Research Products
(1 results)