2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of learning tools to acquire passive kinasthese of learners in the gymnastics of physical education
Project/Area Number |
20K19591
|
Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
小倉 晃布 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (10780588)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 動感(キネステーゼ) / 能動的キネステーゼ / 受動的キネステーゼ / 焦点化質問シート / 発生運動学 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、本研究課題の研究期間最終年度であり、これまでの研究成果を論文投稿ならびに学会発表にまとめることを中心に実施した。具体的には、日本体操競技・器械運動学会が発刊する「体操競技・器械運動研究第30号」に、論文「指導者志望学生の受動的キネステ-ゼの顕現化を促す指導実践に関する考察-マット運動における側方倒立回転を事例として-」を投稿し、受理され、2022年4月に掲載された。また、2022年6月に北海道教育大学札幌校にて開催された第27回日本体育科教育学会において「教員志望学生の運動の技術認識に関する問題性-マット運動における側方倒立回転を事例として-」の口頭発表を、2022年8月に順天堂大学で開催された第72回日本体育・スポーツ・健康学会では「教員志望学生の授業づくりにおける動感創発体験が教材解釈の認識に与える影響」の口頭発表を行った。以上が具体的な研究成果である。 本研究課題では、体育教員やスポーツ指導者をめざす学生の中には、たとえば器械運動の技が上手にできるけれども、それを初心者に教えようとした際にうまく教えることができないという問題を出発点に、その問題の解決策を現象学的立場から明らかにしようとした。結果的に、運動が上手にできる学生であっても、学生本人は「今、自分がどのように動いているか」という“動感意識”を詳細に把握できていないことが明らかとなった。しかし、学校現場など初心者を相手に運動を教えるためにはこのような無意識的な動感意識(受動的キネステーゼ)を意図的に覚醒させ、能動的に把握する方法論が必要であり、本研究を通じて、その方法論としての学習ツール「焦点化質問シート」によってこれらの学生の受動的キネステーゼを顕現化できる可能性が明らかとなり、指導者の専門的指導力養成の方法論構築に関する基礎的知見を得ることができた。
|