2021 Fiscal Year Annual Research Report
量的および質的データに基づく開脚跳ができるようになるための跳び箱運動指導法の確立
Project/Area Number |
20K19596
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
林 陵平 岐阜大学, 教育学部, 助教 (20805486)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 体育科教育 / 小学校体育 / 器械運動 / 跳び箱運動 / 開脚跳び / バイオメカニクス / コーチング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,着手位置をより遠くに誘導するマットセンサーと長さを変化させることが可能な多段階式の跳び箱を用いた画期的な開脚跳びの指導法の確立を目指すことであった。 R2年度には,開脚跳びで跳び箱を跳ぶことができない小学校3年生の男子児童を対象として,マットセンサーのみを使用して開脚跳びの指導をするマットセンサー群と多段階式の跳び箱のみを使用して開脚跳びを指導する多段階式跳び箱群に分け,それぞれの群における跳び箱の成功率と動作の変化について検討した。開脚跳びができなかった試技 (Pre) および開脚跳びができた試技 (post) と定義して,踏切局面から着手局面にかけての一連の動作を2次元的に分析・比較した。その結果,開脚跳びを成功した人数は,多段階式跳び箱群が6名,マットセンサー群が5名であった.一方で,動作についてみると,マットセンサー群は,Postにおける踏切時から着手時にかけての身体重心速度がPreよりも高く,Postにおける踏切位置,着手位置および移動距離についてはPreよりも長いことが認められた。これに対して,多段階式跳び箱群は,Postにおける踏切時から着手時にかけての身体重心速度がPreよりも高く,着手位置および移動距離は増加することが認められた。 R3年度には,マットセンサーと多段階式の跳び箱を用いた開脚跳びの指導を行った場合,開脚跳びができない児童がどのような過程を経て開脚跳びができるようになるのかを事例的に検討した。その結果,跳び箱に対する恐怖心を抱えている児童が多いことが明らかとなった。こうした児童に対しては,跳び箱の長さを30cm,50cm,60cm,80cmと徐々に長くしていく過程においてマットセンサーを用いて指導することにより,最終的に開脚跳びができるようになることが示唆された。
|
Research Products
(4 results)