2021 Fiscal Year Research-status Report
集団スポーツにおける連携技能が教室授業での他者との相互調整へ与える影響
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20K19598
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
加納 岳拓 三重大学, 教育学部, 准教授 (50734810)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 意図の共有 / 連携 / 応答 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、人間を特徴づける力の一つである他者と意図を共有する力が協働で解決することが必要な身体的課題や認知的課題にどのように影響し、また相互の課題間の振る舞いに関連があるかを検討しているものである。共感を身体的行為から検証していることが、身体運動を主とする体育科の意義を提示する上で意義のあるものと言える。 体育授業(鬼遊び)と教室授業(算数授業のペア活動)における他者との協調の関連について、昨年度に一部発表した結果を全てまとめた。その結果、連携が必要なに鬼遊びにおいて、守備者同士が一定の距離をはかりながら守っているペアは、個人の運動の効率性が高く、算数授業では、ペアの発話者と聴き手の役割交替が多いペアは、個人の発話も前の文脈を受けた発話が多いことが示された。また、鬼遊びで連携しながら守ることができるペアは、算数授業のペア活動でも他者の考えに応じた振る舞いをしていることが示された。 分析結果を意味づけるために、今日の教育的な動向や共同行為研究を中心とした学術的背景や先行研究を整理した上で、分析結果の価値について検討し、論文としてまとめた。本論文は国際誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に積み残していた分析が全て終了し、論文として投稿することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度まとめた研究論文をもとに、人間の根本的な特徴である共感や身体からみた体育の新たな意義を構想する。
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Causes of Carryover |
コロナ感染症により、学会や研究の打ち合わせがオンラインでの実施となったため。 論文投稿や学会発表、研究打ち合わせに要する費用として主に試行予定である。また、書籍等の費用も理論的枠組みを作る際には必要となるため、その費用として使用する。
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Research Products
(3 results)