2020 Fiscal Year Research-status Report
学校体育「ダンス系」領域の「知識」の明確化と「知識」を活用した授業モデルの構築
Project/Area Number |
20K19600
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Research Institution | National Institute of Fitness and Sports in Kanoya |
Principal Investigator |
栫 ちか子 鹿屋体育大学, スポーツ人文・応用社会科学系, 講師 (70557082)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ダンス / 知識 / 技能 / 発達段階 / 授業モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,保健体育科における体育分野の「ダンス系」領域の「技能」に対応した「知識」を明確化し,「技能」と関連させた「知識」を活用した発達段階別の授業実践モデルを構築することを目的とし,2020年度は,学習指導要領の「技能」に対応させた発達段階を踏まえた「知識」の整理を行うことを予定していた. まずは,研究代表者が開発した表現系・リズム系ダンスそれぞれの「技能」の要素を構造化した図(以下,「技能評価観点構造図」)をもとに,平成29・30年告示学習指導要領解説における「表現運動系及びダンス」領域の「表現遊び」「表現運動」「創作ダンス」,「リズム遊び」「リズムダンス」「現代的なリズムのダンス」の「技能」の例示の内容から,小学校第1学年及び第2学年,小学校第3学年及び第4学年,小学校第5学年及び第6学年,中学校第1学年及び第2学年,中学校第3学年及び高等学校入学年次,高等学校入学年次の次の年次以降の6段階の「技能評価観点構造図」を作成した.研究代表者が素案を作成し,舞踊教育学研究者5名と共に議論を行い,修正を繰り返した上で整理・集約を行った. 次に,小学校・中学校・高等学校の現職教員に,それぞれの校種における「技能評価観点構造図」の,使用可能性及び改善点についてインタビュー調査を行った. その結果,学習指導要領の「技能」に対応させた発達段階を踏まえた「技能評価観点構造図」について,肯定的な意見が多く,受容性及び供用性が確認された.さらに改善点として挙げられた意見を反映し,表現系ダンス及びリズム系ダンスの6段階の「技能評価観点構造図」を完成させた. 2021年度は,作成した発達段階別の「技能評価観点構造図」をもとに,学年別に「知識」と「技能」を関連させた授業方法や教材等を検討し,単元計画・指導案を作成する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2020年度の最終的な目標であった,学習指導要領の「技能」に対応させた発達段階を踏まえた「知識」の整理は,表現系ダンス及びリズム系ダンスの6段階の「技能評価観点構造図」を完成させたことで達成できた.したがって,おおむね予定通りに研究が進められていると考える. 当初の予定では,作成した発達段階別の「技能評価観点構造図」の受容性及び供用性を検証するため,教員対象の実技研修会等の機会に,質問紙調査を広く実施する予定であった.しかし,新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け,研修会等の中止が相次ぎ,急遽,オンラインでのインタビューに変更して調査した.調査対象者の数は少なくなってしまったが,インタビュー調査を実施できたことで,授業実態を踏まえた詳細な聞き取りが可能となり,「技能評価観点構造図」の完成に向けて貴重な意見を拝受することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度は,2020年度に作成した表現系ダンス及びリズム系ダンスの発達段階別の「技能評価観点構造図」をもとに,各校種別に「知識」と「技能」を関連させた授業方法や教材等を検討し,単元計画・指導案を作成する. 鹿児島県内の小学校,中学校,高等学校の協力を得ながら,児童生徒の実態に応じた単元計画・指導案を検討し,同時に,学習カードやその他,教材・教具等についても開発する.またGIGAスクール構想で,学校におけるICT機器も充実期にあることから,タブレット等の活用方法についても検討材料としたい. 作成・開発した単元計画・指導案,教材等については,2021年度も教員対象の研修会等の機会に,使用可能性・改善点等について質問紙調査を実施したいと考えているが,2020年度同様に,新型コロナウイルス感染症の拡大状況によっては,集会が難しい可能性も考えられるため,インタビュー調査やWEBでの質問紙調査等,実施可能な範囲で進めていけるよう準備をする予定である.
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