2022 Fiscal Year Research-status Report
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20K19608
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Research Institution | Asia University |
Principal Investigator |
鹿内 菜穂 亜細亜大学, 経営学部, 准教授 (20706816)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ヨガ / オンライン / 主観的恩恵 / 月礼拝 / 柔軟性 / 足圧分布 / 重心 / 立位姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
COVID-19により実施が遅れた実験を2022年度も継続して行った。ヨガ未経験の一般学生、スポーツ競技やクラシックバレエを行っている運動スキルの高い学生が実験に協力した。 まず、オンラインヨガのデータについて分析した。ヨガ未経験者の学生を対象に、オンデマンド型の指導条件と、同時双方向型の指導条件とで、主観的恩恵の比較検討をした。その結果、「運動スキル・練習方法の習得」「体力・身体活動の増強」などが、オンデマンド型より同時双方型の方が有意に点数は高かった。反対に「ストレス対処とポジティブ感情の喚起」では有意差がみられなかった。オンラインのヨガでは、形式に関わらずストレス解消および快感情の獲得に寄与し得る可能性がある。一方、オンデマンド型の「協同プレーの価値理解とコミュニケーション能力の向上」は著しく低かった。オンデマンド型のヨガは一人の空間で自分のペースで実施できるメリットがある一方で、友人関係の形成や協調性を育むことに限界があることも示唆された。 次に、ヨガ未経験者である一般学生、スポーツ競技およびクラシックバレエを行っている学生を対象に1日~2週間ヨガを実施し、姿勢の変化を比較した。その結果、一般学生の立位姿勢の著しい変化が認められた。また、足圧分布を比較した結果、特に前重心が多いクラシックバレエ経験者は、立位時に後ろ方向に重心が移動しただけでなく、その重心を移動させる時間が一般学生に比べて早いことが確認された。踵重心にある学生の姿勢はヨガを実施した結果、重心の位置、肩峰の位置および膝関節の位置も変化した。 そして、ヨガの月礼拝を実施する条件と統制条件とで、気分および柔軟性にどのような違いがあるかについて分析した。その結果、月礼拝実施後に、緊張-不安、抑うつ-落ち込み、怒り-敵意の低下が示され、また柔軟性も高まることが示唆された。本成果はunder reviewである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度において、本研究はやや遅れている。 COVID-19の影響により、2020年度は実験機材の納期が遅れ、また対面での計測が叶わなかったため、2021年度および2022年度にわたって対面による実験を行った。2022年度に新たに重心軌跡測定器を導入し、一般学生、スポーツ競技を行っている学生、バランス能力に優れたクラシックバレエを長年行っている学生を対象に、姿勢の画像データ、重心軌跡および重心動揺のデータ、そして心理データをさらに収集した。現在、各データを解析中であり、2023年度では成果報告を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、2022年度までに収集した一般学生およびスポーツ競技者レベルの学生のデータを解析中である。主に、ヨガ実施前後の重心位置の変化、立位姿勢の変化(特に、肩峰、大転子、膝関節の位置)について、論文発表を行う。そして、身体動揺の個人差が大きいことについて、運動習慣の違いによって動揺の差が認められることや、また不安や緊張が身体動揺に影響を及ぼしている可能性があり、さらに分析を進め、国内外での成果発表を行う。
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Research Products
(4 results)