2021 Fiscal Year Research-status Report
学校現場での仮眠実践は,子どもの睡眠状況を改善させるか?
Project/Area Number |
20K19613
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Research Institution | Teikyo Heisei University |
Principal Investigator |
田邊 弘祐 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 助教 (00847402)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子ども / 仮眠 / 睡眠 / 教育生理学 / 発育発達学 / 学校保健学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、「子どもの睡眠に関わる諸問題を改善させる方法として、学校現場での仮眠実践が有効であるか否か」を明らかにすることを目的としている。各年度の研究計画は、令和2年度:予備調査、令和3年度:短期的な仮眠の効果検証、令和4年度:長期的な仮眠の効果検証である。2年目である令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた学校現場での仮眠の取り組みを行うことができなかった。そのため、子どもの睡眠状況と仮眠に対する意識の実態を調査した。具体的には、高校1・2年生422名(男子165名、女子257名)を対象に、自作の記名式質問紙調査票を用いた質問紙調査を実施した。仮眠に対する意識は、「学校のお昼休みの時間に、仮眠ができる機会や環境があったら、仮眠したいと思いますか?」の設問に対して、「はい・いいえ」での回答が求められた。さらに、「なぜ、仮眠したい・したくないと思いましたか?」に対して、それぞれ8・9項目の選択肢から、その回答を行った理由についても尋ねた。本研究の結果、「学校のお昼休みの時間に、仮眠ができる機会や環境があったら、仮眠したいと思いますか?」の設問に「はい」と回答した者は311名(73.7%)であり、「いいえ」と回答した者は111名(26.3%)であった。さらに、「はい」と回答した者と「いいえ」と回答した者の割合を適合度の検定で比較した結果、「いいえ」と回答した者に比べて「はい」と回答した者の割合が有意に多いことが確認できた(p<0.001)。また、「なぜ、仮眠したいと思いましたか?」の設問に対して、最も多かった回答は「午後の授業で眠くなるから」の175名(56.3%)であり、「なぜ、仮眠したくないと思いましたか?」の設問に対して、最も多かった回答は「友達とお話したい(もしくは、遊びたい)から」の59名(53.2%)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
事前に研究協力の承諾を得ていた学校現場での仮眠の効果検証を実施することができなかったものの、子どもの仮眠に対する意識の実態を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、令和3年度に予定していた短期的な仮眠の効果検証を実施する予定である。ただし、新型コロナウイルスの感染状況等を踏まえて、研究対象者をクラス単位ではなく、保健委員のみに絞って実施することも視野に入れている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により、学校現場での仮眠の取り組みを行うことができなかった。そのため、計画されていた旅費や調査補助に必要な人件費等の支出が次年度に見送られた。
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