2021 Fiscal Year Research-status Report
3次元足部形状からみた子どもの足部アーチの定量化と体型や運動能力との関係の解明
Project/Area Number |
20K19614
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
平野 智也 国士舘大学, スポーツ・システム研究科, 助手 (90805186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子ども / 3次元足部形状 / 足部アーチ / 肥満 / 体型 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの足部には特徴的なアーチ構造が存在し、その中でも内側縦アーチは荷重への衝撃吸収機能を持つといわれている。国外では成長期の子どもにおける偏平足やハイアーチといった健康問題が報告されているが、現代の日本の子どもの偏平足の割合やそれに関連する体型や運動能力との関連は不明瞭なままである。そこで、本研究は3次元足部形状から子どもの足部アーチの定量化を行ない、体型や運動能力との関係を明らかにすることを目的とした。 2021年度は、子どもの三次元足部形状と体型との関係について検討した。小学校高学年男児145名を対象として、身長、体重および3次元足部形状データを収集した。身長と体重からボディマス指数(BMI)を算出し、Cole et al.(2000)のBMIによる過体重と肥満判定の基準値をもとに、肥満・過体重群13名を抽出した。また、比較対象として、通常体重群13名を無作為抽出した。3次元足部形状はINFOOT USB(I-Ware Laboratory Co., Ltd.)を用いて計測し、各種足部寸法を算出した。 両群の足部寸法を比較した結果、肥満・過体重群と通常体重群の足長で正規化した足幅、足囲および舟状骨高(足部内側縦アーチの高さ)には有意な差が示されなかった。また、両群ともに、足部寸法の個人差が大きいことが示された。本結果から、肥満・過体重の小学校高学年男児は必ずしも偏平足ではないことが示唆された。 次年度は、子どもの足部アーチと運動能力との関連性を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、小学校高学年男児145名の身長および体重データをもとにBMIを算出し、その中から肥満・過体重児童13名を抽出し、3次元足部形状の解析を行うことができた。得られた成果をもとに論文執筆を行い、学術誌へ投稿予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、子どもの3次元足部形状のデータベースの更なる拡張のため、新型コロナウイルスの状況を鑑みながら、小学校における児童の3次元足部形状および運動能力測定を実施する。それと同時に所有データの解析を進め、子どもの足部アーチと運動能力との関連性を検討する。得られた成果で論文執筆を行い、国内および国際誌へ発表する。
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Causes of Carryover |
物品として購入予定であった特注の筋力測定装置の作成が遅れ、物品費に差額が生じた。また、新型コロナウイルスの影響により、国内学会および国際学会がキャンセルとなったため、旅費が不要となった。以上の理由で次年度使用額が生じた。次年度使用額は、筋力測定装置購入のための物品費、研究成果発表のための旅費、論文投稿費および英文校正費として使用する。
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