2023 Fiscal Year Annual Research Report
3次元足部形状からみた子どもの足部アーチの定量化と体型や運動能力との関係の解明
Project/Area Number |
20K19614
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
平野 智也 国士舘大学, スポーツ・システム研究科, 助手 (90805186)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 子ども / 3次元足部形状 / 足部アーチ / 肥満 / 体型 / 運動能力 / 発育発達 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの足部には特徴的なアーチ構造が存在し、その中でも内側縦アーチは荷重への衝撃吸収機能を持つといわれている。国外では成長期の子どもにおける偏平足やハイアーチといった健康問題が報告されているが、現代の日本の子どもの偏平足の割合やそれに関連する体型や運動能力との関連は不明瞭なままである。そこで、本研究は3次元足部形状から子どもの足部アーチの定量化を行ない、体型や運動能力との関係を明らかにすることを目的とした。 最終年度は、これまでの研究成果を統合して、子どもの足部アーチと体型および運動能力との関係を検討した。 初めに、小学校高学年男児145名を対象として、三次元足部形状と体型との関係について検討した。肥満・過体重群13名と通常体重群13名の足部寸法を比較した結果、肥満・過体重群と通常体重群の足長で正規化した足幅、足囲および舟状骨高(足部内側縦アーチの高さ)には有意な差が示されなかった。また、両群ともに、足部寸法の個人差が大きいことが示された。本結果から、肥満・過体重の小学校高学年男児は必ずしも偏平足ではないことが示唆された。 次に、小学校高学年男児141名の三次元足部形状と運動能力との関係を検討した。相関分析の結果、身長、体重および足長で正規化した舟状骨高と50m走タイムおよび立ち幅跳びの跳躍距離には有意な相関関係が認められなかった。また、対象者の足部寸法と運動能力は個人差が大きいことが示された。本結果から、偏平足と運動能力は関係しないことが示唆された。 これらの成果から、子どもの足部アーチは個人差が大きく、体型や運動能力と必ずしも関係しないことが示唆された。
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