2022 Fiscal Year Research-status Report
繰り返し動作の変動における生理学的因子の解明および変動抑制装置の開発
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20K19617
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
瀧 千波 摂南大学, スポーツ振興センター, 助教 (40844311)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電気刺激 / 確率共振 / ノイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
スポーツやリハビリテーションの現場では繰り返しの動作を要求される場面が多々あり、動作の再現性が必要とされる。しかしながら、ヒトの動作には疲労がない場合であっても試行間での誤差といった「動作のばらつき」が発生する。そこで本研究は、ヒトの意図せぬ動作のばらつきに対する生理学的メカニズムの解明を目的とし、明らかになったメカニズムを基に動作のばらつきを抑制する電気刺激装置を開発する。本年度は昨年度実施したシミュレーションに基づいたヒトへの検証実験およびシミュレーションの追加実験を行った。昨年度実施したシミュレーションの結果に基づき決定した電気刺激のパラメータを、脛骨神経に印加し、安静時におけるH波振幅がシミュレーションで推定した値とフィットするか否かを検証した。同一被験者に対して、別日に複数回実施した結果、シミュレーションから算出した結果とフィットする場合とフィットしない場合が存在することが確認された。そこで、逓減率を加えたモデル(Boxtel 2019)を用いて信号を作成し、再度シミュレーションを行い、実効値を算出した。この実効値を用いて再度脛骨神経に電気刺激を行い、H波振幅を検証した結果、逓減率を考慮せずに決定した実効値を用いた電気刺激よりも、長周期の変動がスケーリング指数1に近づくことが確認され、シミュレーションの予測値と近づくことも確認された。また、算出した実効値を用いて電気刺激装置のプロトタイプを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
装置開発時に必要であった部品の到着が遅れたこと、ヒトへの確認実験およびシミュレーションの再実験を行ったため、時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は電気刺激装置の開発を進める。また、電気刺激装置を可能な限り小型化できるように検討する。同時に研究結果の論文についても進める。
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Causes of Carryover |
電気刺激装置で使用する部品の再選定が必要になり、すでに所有していた部品を活用したことに加え、参加予定であった学会がオンラインになったため、減額が生じた。次年度に装置開発に必要となるため部品費用として使用する。
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