2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K19619
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Research Institution | Osaka Electro-Communication University |
Principal Investigator |
太田 暁美 大阪電気通信大学, 医療健康科学部, 教授 (70360732)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 暑熱順化 / 認知機能 / 脳血流 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、暑熱順化が暑熱環境下の安静時の脳血流量を増大し、暑熱環境下の認知機能を変化させるかを明らかにすることを目的とした。本年度は実験室の状況により十分に被検者を追加することができなかった。 対象者は健常若年者9名とした。温暖期と寒冷期に実験を行い、それぞれの応答を比較した。測定は室温28℃、相対湿度40%の環境制御室で実施した。対象者は水循環スーツを着用し、リクライニングシートに座った。平常体温条件での測定を行った後、水循環スーツに45℃の水を流し、同時に42℃で下肢足浴を行い食道温を1℃上昇させた(高体温)。両体温条件において、音刺激によるオドボール課題を実施し、事象関連電位のP300成分を分析した。測定中は継続的に食道温、表面皮膚温、頸部動脈の血流量、中大脳動脈血流速度(MCAv)、心拍数、血圧を記録した。 測定中の総発汗量と発汗率はともに温暖期に増大していた。MCAvは平均動脈圧で除した血管コンダクタンス指数は、高体温時には平常体温時より低下したが、その平常体温時に対して温暖期94%、寒冷期は92%と季節による違いは認められなかった。p300のCzにおける潜時は、温暖期の平常体温で347±25msec、高体温339±38msec、また寒冷期の平常体温348±43 msec、高体温351±42msecと季節および体温条件による違いは認められず、p300の振幅にも違いは認められなかった。
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