2020 Fiscal Year Research-status Report
運動・学習指導の現場において実用的な投運動の評価指標の作成
Project/Area Number |
20K19624
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Research Institution | Shonan Institute of Technology |
Principal Investigator |
加藤 忠彦 湘南工科大学, 工学部, 講師 (90823732)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 動作分析法 / 観察的評価法 / 投運動 / スポーツ指導 / ハンドボール投げ |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国における子どもの体力の低下を鑑みると,スポーツ指導や学校体育において適切な指導や介入を行うことは大きな課題である.そのためには運動を適切に評価・観察することが第一歩となり,より実用的な評価指標の作成は有意義と考えられる.本研究は,子どもの体力において特に低下が著しく,また,その運動構造が複雑である投運動を対象に,実用的な新しい評価指標を作成することを目的としている. 本研究では,これまでに運動・スポーツ指導における評価指標を作成するために用いられてきた,動作分析法と観察的評価法という2つの手法を用いて,双方の特徴を活かした新たな評価指標を作成していく.そのために,令和2年度は,動作分析法と観察的評価法を実施するために,高等学校や大学の授業において,ハンドボール投の映像を100名程度を対象に取得し,並行して動作分析と観察的評価を実施する予定であった.しかし,新型コロナウイルスの影響で映像の撮影を行えなかった. しかしながら,動作分析法において算出する変数や,観察的評価法を実施する際に評価規準となる観点を先行知見から抽出,並びに研究協力者とブレーンストーミングによって選出し,かつ,動作分析法と観察的評価法との間でそれらの変数・観点との関連があると見込まれる項目の選出を行った.このように,具体的なデータの取得には至っていないが,新型コロナウイルスの影響が排除されデータ収集が可能になり次第,動作分析による定量的な評価と観察的評価を効率的に実施するための準備を整えることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
令和2年度は100名程度を対象に,投運動の映像を撮影し,動作分析法による定量的な評価と観察的評価法を実施する予定であった.しかし,新型コロナウイルスの影響で撮影を予定していた高等学校や大学における正課の授業が全て休講もしくはオンライン授業での対応となってしまったため,研究用の撮影を実施できなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は,新型コロナウイルスの感染拡大状況を考慮しながら適宜対応していく形になるが,異なる地域にある複数の大学等に研究協力を依頼しているので,可能な範囲で,データ(投運動の映像)を取得していく予定である.また,当初予定していた,正課授業内で実施に限らず,少人数を対象とした実験を実施することでデータ蓄積を進める.動作分析法による定量的な変数と観察的評価法における評価規準については令和2年度中に概ね抽出が済んでいるので,データの取得が進み次第,それらの解析と評価を実施する.評価結果の妥当性,信頼性,客観性が統計的に確認でき次第,動作分析法と観察的評価法の結果を組み合わせ,それらの妥当性,共有性,共感性,信頼性が確保できるまで複数名でのメンバー・チェックを繰り返し,新たな評価指標を作成していく. 令和4年度は作成した評価指標が実用的かどうかを,複数名の被検者に評価を行ってもらい,統計的に検証していく.また,研究成果は適宜国内外で学会発表および学術論文として発表していく.
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では,令和2年度は動作分析法を行うためのソフトウェアの取得や,データ収集に関わる旅費,および実験補助者への謝金として本研究費を計上していた.しかし,新型コロナウイルスの影響でデータ収集が出来ず,これに伴う旅費や実験補助者への謝金を執行することができなかった.さらに,研究代表者が令和2年度の9月から所属機関の変更が決まり,新たな所属先での研究環境や機材の確認と整備が先決となった.したがって,令和2年度は,特に汎用的な研究環境と機材の整備を所属機関の予算内で行うことを優先させ,その上で本研究費を用いて取得が必要な備品等を再度リストアップすることとした. 上記の作業は本務がオンライン授業や在宅勤務となったことも影響し想定以上に時間を要し,令和2年度は備品の取得には至らず,当初予定していた直接経費は全て令和3年度に繰越すこととなった. 令和3年度は必要な備品が明確になったのでその取得と,新型コロナウイルスの影響が排除され次第,実施できていないデータ収集に伴う出張,および実験補助者への謝金として使用していく予定である.
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