2022 Fiscal Year Research-status Report
過剰なタンパク質の蓄積・凝集による細胞老化誘導機構の解明と老化防止物質の探索
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20K19643
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
高氏 裕貴 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 客員研究員 (30784144)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 細胞老化 / 老化 / プロテオスタシス / 凝集タンパク質 / タンパク質合成 / 機能性物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞老化は、動物組織を構成する体細胞が、不可逆的に増殖を停止する現象であり、個体老化や様々な疾患の発症に深く関わっている。本研究では、細胞老化の過程で過剰に蓄積したタンパク質が凝集していることを明らかにし、タンパク質の凝集が不可逆的な増殖停止を引き起こす可能性を検討する。 これまでの研究で、細胞老化によってプロテオスタシスが乱れ、不溶性タンパク質が生じ、細胞内で凝集していることがわかっている。本年度は、プロテオスタシスの乱れを改善するためにケミカルシャペロンを用いて細胞老化が抑制できるか検証した。その結果、ある種のケミカルシャペロンは細胞老化を抑制することが分かった。さらに、プロテオスタシスの乱れが核膜構造に与える影響も検証し、プロテオスタシスの乱れによって核膜構造が崩壊することが示唆された。 また、凝集性タンパク質の強制発現によって、細胞老化が誘導されることも見出した。 プロテオスタシスの乱れを改善するある種の植物を見出しているが、その作用機序の解明のための実験系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
COVID19の蔓延による影響もあり、実験計画に遅れが生じた。 また、線虫を用いた実験で発見した機能性物質が、細胞系では安定した効果が見られないことなどがあり、細胞種やベクターを再検討したことも計画の遅れにつながった。
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Strategy for Future Research Activity |
凝集性タンパク質の発現による細胞老化誘導機構を核膜タンパク質との関係性に注目して解明する。 細胞系を使って、発見した植物の有効成分を特定し、作用機序の解明も進め、個体レベルでの効果を検証する。
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Causes of Carryover |
機能性物質の解析がうまく進まなかったため。 次年度はマウス実験を行うため予定であり、マウス購入や飼育費に使用する。
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